5/24(現地時間)、第68回カンヌ国際映画祭授賞式が行われ、コンペティション部門に選出された、台湾の巨匠ホウ・シャオシェン監督(侯孝賢)『黒衣の刺客』(こくいのしきゃく)が、監督賞を受賞しました。

これまで、『好男好女』(1995)、『憂鬱な楽園』(1996)、『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(1998)、『百年恋歌』(2005)など、6度にわたりカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され『戯夢人生』(1993)では審査員賞、『ミレニアム・マンボ』(2001)で高等技術院賞を受賞しているホウ監督は、本作で7度目のコンペティション部門への出品という偉業を成し遂げ、念願の監督賞を受賞しました。ホウ監督は1989年『悲情城市』ではヴェネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞も受賞しています。

授賞式では、スタンディング・オベーションの中、ホウ監督が登壇し、プレゼンターであるハリウッドでも活躍するイタリア人の女優ヴァレリア・ゴリノからトロフィーを受け取ると「みなさん、ありがとうございます。すでにカンヌ国際映画祭のコンペティション部門は7回目、賞をいただいたこともあります。今回、監督賞をいただいて本当に感謝しております。
作家映画を作るのは決して簡単なことではありませんし、資金を獲得するのも難しいことです。スタッフに感謝します。
また主演のスー・チー、チャン・チェン、そして全ての人に感謝いたします」と喜びを語った。

本作に出演している、妻夫木聡はこの吉報に「この度は監督賞受賞おめでとうございます。侯孝賢監督の作品に参加できたこと、このような素晴らしい賞を受賞したこと、こんな奇跡的な瞬間に立ち会えたことに幸せを感じています。一期一会の心を忘れず、これからも人や作品に出会えていけたらと思います」とコメントした。

本作は、この秋に全国公開されることが決定しており、日本でも多くのファンがいるホウ監督の8年ぶりの最新作として公開が待ち望まれている。
出演には、『ミレニアム・マンボ』などホウ監督のミューズ、スー・チーが、運命に翻弄されながらも力強く生きてゆく女刺客・隱娘を演じ、アクションにも挑戦。隱娘の標的となる暴君には、『レッド・クリフ』シリーズで知られ、『百年恋歌』に続きホウ監督とタッグを組んだチャン・チェン。そして、窮地に追い込まれた隱娘を助ける日本青年を妻夫木聡が演じています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa