2014年カンヌ国際映画祭に正式出品されるや大絶賛され、以降世界中の映画祭で熱狂をもたらしたウェスタン・ノワール『悪党に粛清を』が、6/27(土)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開となります。

本作で復讐に燃える孤高の主人公を演じたのは、カンヌ国際映画祭男優賞受賞俳優であり、現在TVドラマ「ハンニバル」(スターチャンネルにて6月にシーズン1&2一挙放送)の主人公レクター役を演じ本作の熱狂的ファンの愛称で知られる「ファンニバル」を沸かせるなど今世界が最も注目する国際的俳優マッツ・ミケルセン。デンマーク女王よりナイトの称号を授与され “北欧の至宝”とまで称されるミケルセンが、先日、本作のプロモーションのため映画デビュー18年目にして初来日を果たし舞台挨拶を行った。

その舞台挨拶の中で歌舞伎を観に行ったことを明かしたミケルセン。観劇したのは明治座「五月花形歌舞伎」で現在上演中の通し狂言片岡愛之助主演『鯉つかみ』。片岡愛之助は以前からミケルセンのファンであると明かしており、5月11日の観劇前に愛之助の招待によりミケルセンは楽屋を訪問。日本の重要無形文化財でありユネスコ世界無形文化遺産でもある歌舞伎の人気俳優 片岡愛之助と、マッツ・ミケルセンの国際的文化交流ともいえる対面が実現した。

歌舞伎や楽屋の違いなどについて質問するミケルセンに対して愛之助が丁寧に説明。その間熱心に聞き入るミケルセンは終始正座。「足を崩してくださいね」という愛之助に「ダンスをしていたので大丈夫です」と苦にする様子もなく、日本文化を重んじる姿勢に周囲のスタッフを感心させた。観劇後「デンマークにはパントマイム・バレーという形式的な古典劇があり、それに通じるものを感じました。本当に素晴らしかった」と初歌舞伎の感想を語った。愛之助から自身の押隈をプレゼントされたミケルセンは額に飾りますと喜んでいた。

愛之助がミケルセンのファンになったのは『007/カジノ・ロワイヤル』を観て以来。今回の対面を前にいち早く本作を観た愛之助は、「腕力だけがものをいう非情な開拓時代の描写に圧倒されます。そして侍のように寡黙に己の筋を通すマッツ・ミケルセンの魅力全開。ラストカットが秀逸。単なるウエスタン、単なるノワールではございません。」と絶賛。ミケルセン自身も本作については「黒澤明監督からインスパイアを受けた歴史的なウェスタン」だと語っており、日本が誇る“サムライ・スピリッツ”の“逆輸入”とも言える本作に圧倒されたようだ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa