聖書に描かれた世界の終末。神を信じるものだけが天国に召しあげられる「携挙」がテーマにもかかわらず、牧師が残された理由とは?『リメイニグ』いよいよ公開!!
聖書に書かれた世界の終末を描く『リメイニング』が、5月16日(土)より新宿シネマカリテにて公開となる。本作の内容であるが、魂を奪われたように次々と人が倒れ始める異常事態が突如発生。その後。飛行機や巨大な氷塊が降ってきたり、ライフラインがダウンするなど、突然世界の終りが訪れ大パニックに陥る人々の姿を描くパニック・スリラーである。
「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい」(1ペテロ4:7)とペテロが手紙を書いてから、早くも2000年近くが経った現在。ヨハネの黙示録に記された、この世界の終末にまつわる預言が現代社会で実現したら、どういった事態が想定されるのか。キリスト教では、このテーマは「携挙」と言われており、それがいつであるかははっきりと明示されていない。
イエス・キリストが再臨するとき、地上にいる真の信仰者が空中に引き上げられて主キリストと会い、不死の体へのよみがえりを経験するという終末預言をテーマに忠実に描かれた本作であるが、ストーリーをよく確認してほしい。突如人々が倒れる事態が起こった後に、携挙されなかった人々を牧師が教会で受け入れるというのだ。そこで、一つ疑問が残る。なぜその牧師は「天国」に召し上げられなかったのか?
神の裁きが起こっている状況で、人は何を信じ、どのような決断をするのか。キリスト教を信じている人も、信じていない人も、世界の終末が目前に迫ったら何をすべきか?映像で想像してみる絶好の機会かもしれない。勿論、『クローバーフィールド/HAKAISHA』、『2012』に次ぐ終末パニック・スリラーとしても十分楽しめるエンターテイメント作品に仕上っている。
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執筆者
Yasuhiro Togawa