6月6日に公開が決定した『奇跡のひと マリーとマルグリット』は19世紀末フランスに実在した三重苦の少女マリー・ウルタン(1885〜1921)と、彼女を教育した修道女、マルグリットという実在したふたりの奇跡の実話です。生まれつき目も見えず、耳も聞こえない三重苦の少女マリーを一目見たときから彼女の魂の輝きに心を奪われたマルグリットは、重い病に冒されているにもかかわらず、マリーの教育係を申し出る。そこからふたりの壮絶な戦いとも言える日々が始まった・・・

『視線のエロス』のセクシーさと正反対の貞淑な修道女を熱演!

本作で余命いくばくもない修道女を演じたのが、フランスのベテラン女優イザベル・カレ(44歳)。『きつねと私の12か月』、『クリクリのいた夏』など日本でも公開作の多いイザベルは『視線のエロス』では美しいヌードを披露し、男性の目をくぎ付けにした女優。そんな彼女が『奇跡のひと マリーとマルグリット』ではセクシー封印で、献身的な修道女を熱演した。そんなイザベルのビックリするほどの親日家ぶりが明らかになった。
島根県に長期滞在し、日本が大好きに!

この春、日本を舞台にしたフランス映画のロケで島根県の壱岐島に長期滞在したイザベルは、島根がとっても気に入った様子。「私がいた島後(どうご)という所は、自然がそのまま残っているんです。崖に赤い石がたくさん見えている綺麗な島にも行きましたよ。ロケをしていた場所は、ダイスケという引退した警察官が住んでいる家で本当に海の近くなんです。ダイスケという警察官は、ここに自殺に来る人たちを助けるという役ですが、これは実際にあったお話なんです。実は今回私は、ロケで日本にいること自体に感動しているんです! 私自身は今まで日本に来たことはなかったんですが、小さい頃からデザイナーの父が、70年代〜90年代にかけて仕事のために長期でずっと日本に行っていたので、私の家には日本のものがたくさんありました。だから幼い頃から私にとって、日本はとても身近に感じられる存在だったんです。そんな日本に滞在できて、すごく嬉しいです」

今回の作品で共演した國村準ら日本の俳優について「國村さんはとてもすてきな方でした。みなさん、自分の役になりきって臨んでいるのですごいなと思います。例えばか弱い女の子を演じなければならない女優さんはちゃんと体重も落としてきていましたし、まるで黒髪の人形さんのようにか弱い感じをすばらしい形で表現しますし、若い俳優さんたちも役に全身全霊をかけていて、そういう姿を見られるのが俳優としてとても幸せでした。」と感動した様子のイザベル。

もともと親近感を感じていた日本を初めて訪れて、すっかり夢中になってしまったというイザベルは日本食も大のお気に入り!「ここの食事がとってもおいしいので全然体重が減りません(笑)フランス料理は与えられたらそれしか食べられない一品料理が続くことが多いのですが、日本のお弁当というのは色々なものが少しずつ入っているので、その食べ方がすごく気に入っています。この島の牡蠣もおいしかったですが、今回は特に鰻の蒲焼きが大好きになりました!」と日本が好きで好きでたまらない様子。子供をもつ44歳とは思えないスィートボイスが魅力的なイザベル・カレは、映画ではノーメイクで真面目な修道女役に挑戦。その素顔とのギャップをぜひお楽しみに!

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執筆者

Yasuhiro Togawa