世界屈指の巨匠・黒澤明が監督した日仏合作映画『乱』(1985)が、公開当時から
30 年ぶりに4Kデジタル復元!来月 5 月 13 日から開催される第 68 回カンヌ国際映画祭のカンヌ クラシック部門でワールドプレミア上映されることが決定!

『乱』は、シェイクスピアの「リア王」と毛利元就の「三本の矢」の逸話をモチーフに、戦国武将・一文字秀虎の晩年と 3 人の息子との確執、兄弟同士の軋轢を描いた悲劇。
構想 10 年、監督 27 作目、製作としては最後の時代劇となり、黒澤監督自らが“ライフワーク”と称した黒澤芸術の集大成作品だ。
この度、原版が保存されていたフランスで、上田正治撮影監督監修のもと、オリジナル・ネガフィルムを4K高解像度でスキャン、傷や汚れなどを修復したのちデータ化するといったデジタル修復作業を実施。『乱』とゆかりの深いフランスで、4Kデジタル復元版がお披露目上映されることになる。

カンヌ クラシック部門は、映画史に残る世界中の名作を修復・紹介するなどの目的で 2004 年に創設された、オフィシャル セレクションと並ぶ、カンヌ国際映画祭の重要な一部門。これまで日本作品では、市川崑監督『東京オリンピック』、宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』、海外作品では、フランソワ・トリュフォー監督『終電車』、セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』などが同部門で上映されている。

★『乱』について、主演の仲代達矢さん、原正人プロデューサーより、下記の通りコメントを頂きました!
● 仲代達矢さん(主演・一文字秀虎 役)コメント
日本の戦国時代を借りて、終りのない戦さに明け暮れる
人間の愚かさを、天上からの「神」の眼で俯瞰した作品−
−世界に冠たる偉大な反戦映画である。
● 原正人プロデューサー コメント
“苦しくも素晴らしい体験”−−それが『乱』の製作でした。
新技術で甦った名作を、是非スクリーンでご堪能ください。

執筆者

Yasuhiro Togawa