アカデミー賞受賞『英国王のスピーチ』製作陣が贈る、

心潤す感動のロードムービー

1977年、たった一人でオーストラリア西部の砂漠およそ3000キロ(約2000マイル)を横断するという冒険の旅に出たロビン・デヴィッドソン。1日あたり約32キロのペースで歩き、7ヵ月を費やして成し遂げた旅の記録を綴った回顧録「TRACKS」は、少なくとも18の言語に翻訳され世界的ベストセラーとなった。1981年の発売以来、何度も映画化の企画が持ち上がってきたこの伝説的なノンフィクションが、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞した製作チームにより、遂に映画化。ロビンの驚くべき旅の軌跡をヴィジュアル化するため、オーストラリア各地で大がかりなロケーション撮影を敢行した。

実際にロビンが辿った、アリス・スプリングスからウルル(エアーズロック)を経由し、インド洋へと至るその道程を、物流を維持するのも困難なほど険しい岩場、草原、砂漠に35ミリのフィルム・カメラを持ち込んで再現。その多大な苦労が実り、オーストラリアを代表する撮影監督マンディ・ウォーカーが手がけた映像には、雄大で荒々しく、時に神秘的なまでに美しい大自然の魅力が余すところなく刻み込まれ、壮大なスケールで描かれる感動のロードムービーが完成した。

主人公ロビンを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリス役でブレイクした後、『永遠の僕たち』『イノセント・ガーデン』『マップ・トゥ・ザ・スターズ』など話題作への出演が相次ぐ若きトップ女優ミア・ワシコウスカ。撮影に臨むにあたってラクダの扱い方も徹底的に学んだ彼女が、等身大のヒロイン像を持ち前のナチュラルな存在感でみずみずしく体現した。

ロビン同様、実在の人物であるナショナルジオグラフィックの写真家リック・スモーランに扮するのは、『フランシス・ハ』やTVシリーズ「GIRLS/ガールズ」で人気を博し、さらに年末公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』出演でも注目を集める若手俳優アダム・ドライバーが演じる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa