本作はナチスドイツの手から逃れた8歳のユダヤ人の少年が、スルリックというユダヤ人名を捨て、ポーランド人孤児ユレクと名乗り、森に潜み、また、食べ物を求めて農村を渡り歩きながら、たった一人で3年もの月日を生き抜いた実話を基にした感動作です。この度、終戦記念日である8月15日に公開が決定、メインビジュアルも完成しました。

原作は1996年に国際アンデルセン賞*を受賞したウーリー・オルレブによる『走れ、走って逃げろ』(2003年 岩波書店)。監督は1994年に『Schwarzfahrer』(黒人のドライバー)でアカデミー賞短編実写賞を受賞したペペ・ダンカート。原作との出会いを「見る者の記憶に20年後も残り続ける映画となる素材を見つけた瞬間」と語っています。
過酷な運命を力強く、前向きに生き抜く主人公役をアンジェイとカミルの双子の兄弟が愛らしい笑顔で演じきりました。

*国際アンデルセン賞:児童文学への永続的な寄与に対して贈られる賞。「小さなノーベル賞」とも言われる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa