警察小説、人間ドラマの名手として、「半落ち」「クライマーズ・ハイ」などの傑作を生み出してきた横山秀夫による、累計発行部数110万部突破のベストセラー小説『64(ロクヨン)』。主演に佐藤浩市、監督に「ヘヴンズ・ストーリー」(2010年)で「第61回ベルリン国際映画祭」国際批評家連盟賞を受賞するなど世界的にもその実力が評価されている鬼才・瀬々敬久を迎え入れ、前後編の2部作として映画化する本作で、佐藤が演じる主人公の広報官・三上を取り巻くキャストが一斉に解禁となります!

‘たった1週間で終わった昭和64年’に起きた未解決の誘拐事件(通称‘ロクヨン’)と、それを起点とした県警記者クラブも巻き込んだ警察内部の対立、そして14年を経て新たに起きた「ロクヨン」を模倣した誘拐事件を、県警の広報官を中心に描いた本作は、警察、記者によるリアルな葛藤と攻防、さらに未だかつてない驚愕のミステリーを有する作品として、2013年の「このミステリーがすごい!」1位に選出されるなど各方面から絶賛を集めました。
ミステリーとしてはもちろん、総登場人物150名におよぶ濃密かつ壮大な人間ドラマとしても超一級のエンターテイメント大作となる本作の映画化を実現すべく、まさに日本映画界を名実共に代表する超豪華オールスターキャストが集いました!

三上(佐藤浩市)の部下として奔走する「広報室係長・諏訪」を演じるのは綾野剛。諏訪と共に広報室の紅一点として、三上を支える「広報室婦警・美雲」に榮倉奈々。広報室と対立する記者クラブを取りまとめる「東洋新聞キャップ・秋川」に瑛太。三上の刑事時代の上司で、かつてロクヨンの捜査班も務めた「捜査一課長・松岡勝俊」に三浦友和。
さらに、‘ロクヨン’事件の被害者の父「雨宮芳男」を永瀬正敏が演じるほか、吉岡秀隆、仲村トオルら主演級の俳優陣が、いずれも物語上の重要な役柄として出演。脇を固めるキャストにも、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝と、この映画でなければ成しえない、過去に例を見ない実力派俳優陣の共演が実現しました。

本作は、センセーショナルな事件を解決に導いていくだけではなく、主人公・三上が刑事⇔広報官、中央⇔地方、キャリア⇔ノンキャリア、仕事⇔家庭など、複雑な関係性の中で悩み、苦しみ、生きていく様を描いているという点において、他の警察小説、ミステリーとは一線を画しています。重厚で濃密な世界観を余すところなくスクリーンで描ききるため、本作は前後篇の2部作として製作。前編では加害者匿名報道を巡る、広報室と記者クラブの確執の狭間で三上が広報官として覚醒していく様が描かれ、後編では新たに発生した因縁の事件「ロクヨン」をなぞる誘拐事件に対し、かつては刑事として、今度は広報官として真っ向から立ち向かう三上の姿が描かれます。

ミステリーの枠に留まらず、感動の人間ドラマとして多くの人々を魅了し、映画史に残る比類なき作品になるであろう本作は、今年2月にクランクインし、5月にクランクアップ予定。前編/後編2部作でいずれも2016年公開予定となっています。
今回発表された豪華出演陣による熾烈な演技合戦にも注目が集まる映画「64-ロクヨン-」のお取り上げ、何卒よろしくお願いいたします。

コメント
綾野 剛 【広報室係長・諏訪】役
「瀬々敬久監督、佐藤浩市さん、スタッフ、キャストと共に、正義と不義の狭間で、ただ一つの真実に向かって闘い抜く所存です。64の世界を、諏訪を通して真っ当を振りかざさず、心に秘めて生きさせて頂きます。」

榮倉奈々 【広報室婦警・美雲】役
「美雲を演じさせていただくことになりました。
男性社会の中で、自分の役割を探し懸命に仕事と向き合う女性の役です。
自分自身も、力強い役者の先輩方の中で美雲と向き合い、少しでも戦力になれますよう頑張りたいと思います!」

瑛太 【東洋新聞キャップ・秋川】役
「佐藤浩市さん演じる三上と対立する幹事社秋川を演じるのは容易ではないです。秋川の曲者度合いを楽しみ、
この映画の良いスパイスになれるよう全身全霊でぶつかりたいと思います。」

三浦友和 【捜査一課長・松岡勝俊 役】
「とにかく主人公三上(佐藤浩市)が前後編出ずっぱりで、間違いなく心身共にハードな仕事になっていると想像します。
我々は真の縁の下の力持ちになれるよう頑張るのみです。」

瀬々敬久監督
「横山秀夫さんの思いが込められた『64—ロクヨン』の映画化という重責の中の船出でしたが、佐藤浩市さんを中心とする世代を超えた出演者の競演に息を飲む瞬間の連続です。熱意が集積した映画を届けられるよう、今後も進んでいこうと思っています。」

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執筆者

Yasuhiro Togawa