このたび、本年4月30日に迎えるベトナム戦争終結40周年にあたり、4月25日(土)より新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、他にて、アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞に輝くドキュメンタリー映画の最高傑作『ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実』(提供:エデン+キングレコード/配給:エデン)をリバイバル公開する運びとなりました。

  本作で描かれた戦争における政治家の大義、帰還兵の本音、戦死した兵士の家族の哀しみ、村を焼かれ子供を殺された人々の叫び、etc.は、決して過去の記録などではなく、イスラム国の台頭など、今も世界各地で続く戦争や紛争の構造とまったく変わりありません。また、ベトナム戦争は、ジャーナリズム史を語る上でも非常に重要な位置づけとされ、「自由に報道できた最後の戦争」と言われるように、その後の戦争報道が大きく規制されるきっかけになりました。そして、更に、この戦争は日本にも関係の深いものでした。現在もなお深刻な基地問題が続く沖縄の米軍基地からベトナムへ向かう爆撃機が飛び立ち、日本で作られた様々な物資が戦地へと運ばれ、日本経済は“ベトナム特需”の恩恵を受けていました。

  第二次大戦終戦から70年の今年、『ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実』は、日本を含め 世界中が不穏な空気に脅かされ、報道の自由が取り沙汰される今こそ、見るべき映画ではないでしょうか。

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執筆者

Yasuhiro Togawa