女優・歌手として幅広く活躍するヴァネッサ・パラディを主演に迎え、2つの時代を横断する魂の旅を描いた究極のラブストーリー『カフェ・ド・フロール』が3月28日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開となります。

本作のメガホンをとったのは、リース・ウィザースプーンとローラ・ダーンがオスカーにWノミネートされ話題をさらった映画『WILD(原題)』(2015年公開)の監督ジャン=マルク・ヴァレ。昨年の『ダラス・バイヤーズクラブ』(14)に続き、2年連続で自身監督作の出演俳優がオスカーにノミネートされ、今、大注目を浴びている。そんな気鋭の注目監督から、『カフェ・ド・フロール』についてインタビューが到着した。

「ヴァネッサ・パラディは素晴らしい女優だよ。この作品で最大の発見は彼女だとも言える!本当に見事で自分の役をよく理解している。控えめで素朴なところが美しいんだよ!」と絶賛している。
ヴァレ監督の映画は、主人公が困難な状況から逃げずにもがく姿を切り取った人間ドラマが多いように思える。しかし、本作では2つの時代と場所で生きる人々の究極の愛の物語に挑戦した。
「実は、少しこの作品はパーソナルな作品でもあるんだ。15年間連れ添っていた妻と別れた直後だったということも、かなり影響したよ。自分自身へのカウンセリングの意味もあったのかな(笑)。ただずっと、ラブストーリーは作りたいと強く思っていた。ラブストーリーを作り、ソウルメイトとピュア・ラブについて語りたかったんだ」。演出では観客が恋愛に憧れを抱くような表現を目指したといい、「空港で抱き合ったり、見つめ合ったり、そういう日常の美しさを特に意識したんだ」と語る。

今年、初監督作『Liste Noire(原題)』(95)から数えて、≪監督デビュー20周年≫の節目を迎える。「簡単そうだったから(笑)」という理由で通った大学の映画コースがヴァレ監督と映画の出会いだ。それまでは父親がラジオ局のDJだった影響もあり音楽漬けの日々だったが、「大学では黒澤明監督の映画をはじめ、様々な映画を観たよ。M・スコセッシ、F・F・コッポラなど、ストーリーテリングに重きを置く監督の作品が好きだね」。ヴァレ監督は自身の映画作りについて「脚本が重要で執筆する過程にも意味があり、脚本通りに進めながら同時に編集についても考える。撮影中は レンズ越しにそれを模索するんだ。撮影スタッフと話し合ったりしたけど、実践あるのみさ」と現場主義の姿勢を貫いている。

本作は1969年のパリで生きる親子、そして現代のモントリオールで生きる男女が神秘的な愛によって紡がれてゆく、スピリチュアルで切なくも美しい、究極の愛の物語を描いている。

映画『カフェ・ド・フロール』は3/28(土)より、復活する恵比寿ガーデンシネマのオープニング作品として公開する。
公式HP http://www.finefilms.co.jp/cafe

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執筆者

Yasuhiro Togawa