本作は、海上自衛隊が震災直後に撮影した貴重な未公開映像と共に、「救った人と救われた人」から「ひとりの人間と人間」へと移りゆくドラマを捉えた作品です。監督は、「3.11 東日本大震災の真実〜未曾有の災害に立ち向かった自衛官「戦い」の現場〜」、「国防男子」「国防女子」などミリタリー分野を得意とする大島孝夫と、震災、原発問題関連など数々の書籍の編集、週刊誌等の執筆者として活躍する鹿島潤。

当初、本作とは関係なく被災地の模様を取材していましたが、自衛隊の災害支援活動を目の当たりにしているうちに、報道では深堀されなかった事実を一人でも多くの方に知って欲しいと思い立ち、被災者、自衛官それぞれの目線に沿った実録を作品にまとめ上げることとなりました。

ほとんどの被災者は「失う」という大きなものを背負いましたが、自衛隊の活動の中で「得る」という小さな希望も掴んだのです。そしてその先に見えるものは「自衛隊員も涙を流すひとりの人間である」というもの。自衛隊の賛美映画を作りたいのではなく、被災者という「人間」と自衛隊員という「人間」とのありのままの感動に是非ご注目下さい。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53483

執筆者

Yasuhiro Togawa