このたび、2014年12月20日(土)より、ユーロスペースほか全国で公開が決定しているアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品『エレナの惑い』、『ヴェラの祈り』の公開初日を記念したイベントを以下日程での開催が決定しました。

《初日トークセッション スケジュール》

■場所:ユーロスペース<渋谷Bunkamura交差点前左折>(150-0044 東京都渋谷区円山町1−5)
■日程:12月20日(土)
■トークイベント:19:10〜19:40(約30分)
■登壇者:西川美和(映画監督)
■聞き手:門間雄介(編集者、ライター)

映画について
『エレナの惑い』では、男と言う存在を「資本主義経済」にだぶらせ、それに蹂躙されたひとりの女性の業をサスペンスフルに描き出します。妻という存在とは、あるいは母という存在とは何かを根源から問いただしていく傑作です。『ヴェラの祈り』は、孤独より深い海の底を見てしまった女性の、戻れない道を描いた現代の「黙示録」。妻であること、そして母であるという立場に納まりきれない感情の熱波は、やがて家族そのものを飲み込む奔流となり、悲劇を引き起こしていく。

ズビャギンツェフ監督について
『父、帰る』で2003年ヴェネチア国際映画祭グランプリ金獅子賞を受賞し鮮烈なデビューを飾り、その後も発表する作品は、立て続けにカンヌで賞を受賞し、最新作『Leviathan』(日本未公開)では本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門・最優秀脚本賞を受賞してアカデミー外国映画部門のロシア代表に選出されている、今最も国内外の映画評論家に注目をされている。

西川美和監督コメント
『ゆれる』の脚本を執筆中に、同じように男兄弟をモチーフに描いた『父、帰る』を観て、その世界観に愕然とさせられた。表現、演出などロシア的な独特の世界観で、エッジの効き方が並外れている。』とズビャギンツェフ監督作品との出会いについてまず語った。そして、映画の内容について、『辺境の、寓話的な(時代設定の曖昧さを含め)お話であるのにまるで自分の周りで起きているかのごとくの普遍性に驚愕する。大陸的な威風堂々さを持ち合わせた大きな物語であるにも関わらず、ちいさな個人的な物語に落としこんでいるあたりの見事さ。』が素晴らしいとコメントする。最後に、『男と女の問題は、未来永劫に解決できない。そこで悩み、もだえ苦しむことの人間のをついぞ考える。男女の問題から派生する、人間の業や強欲について想いを馳せる。男女間の問題を人間の普遍性へと変換するすさまじい演出力だ。』と語った。

関連作品

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa