『激戦ハート・オブ・ファイト』のコンビが再び挑む異色作『クリミナル・アフェア 魔警』
この度、『激戦 ハート・オブ・ファイト』のダンテ・ラム監督とニック・チョンが再度組んで、サスペンス・アクションに挑んだ、『クリミナル・アフェア 魔警』(原題:魔警)が、2015年2月14日(土)より、シネマート六本木ほか全国順次公開が決定いたしました。
『クリミナル・アフェア 魔警』は、警察アクションの鬼才として、ポスト ジョニー・トーとの呼び声も高い、『ブラッド・ウェポン』『密告・者』のダンテ・ラム監督が、香港で2013年の驚異的な大ヒットとなり、第33回香港電影金像奨ではニック・チョンが最優秀主演男優賞を受賞した『激戦 ハート・オブ・ファイト』(日本公開2015年1月24日公開)に続き、同じ監督・主演で制作した作品で、これまでのアクション、そして『激戦〜』のような感動ドラマではなく、人間の心の中にある闇を描いたサスペンス・アクションとして作られている。
実はこの作品は、2006年3月17日に香港のチムサーチョイの地下道入り口で起こった警官射殺事件からインスパイアされているが、この事件の犯人が警察官の徐歩高(ツイ・ポーコー)だったことから香港市民に大きな衝撃を与えた。正義の仕事をしているはずの警察官にも心の闇があることに興味を持ったダンテ・ラム監督は、人間の心のトラウマから生まれる世界を見事に作り出した。その内容の完成度に、第34回香港電影金像奨の有力候補の1本とも噂されている。
主演には、心のトラウマを持つ警察官に『新宿インシデント』『盗聴犯 死のインサイダー取引 』のダニエル・ウー。本作のキャラクターを演じるために40日間で13キロ減のダイエットにトライして鬼気迫る演技を見せている。そして警察官のトラウマを再び誘発するキーとなる残虐な強盗団の一人にニック・チョンが演じ、『レクイエム最後の銃弾』『激戦ハート・オブ・ファイト』で演じたキャラクターとはまったく違う、これまた憎々しい演技を見せ、亜州影帝(アジアの映画王)と呼ばれる俳優力を見せている。
共演には、『ファイアー・レスキュー』『スペシャルID 特殊身分』のアンディ・オン、『密告・者』『ブラッド・ウェポン』とダンテ・ラム作品でおなじみのリウ・カイチーといった面々。
そしてスタッフには、あのウォン・カーウァイが師と仰ぐ『レスリー・チャンの嵐の青春』やアーロン・クォック主演『父子』の監督であるパトリック・タムが編集を担当、撮影を『激戦 ハート・オブ・ファイト』のケニー・ツェーが担当するなど、香港映画界の一流スタッフが顔をそろえている。
アクションやノワールが得意な香港映画に、人間の心理を描いた新たなるサスペンス・アクションの異色作が誕生した。
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執筆者
Yasuhiro Togawa