気が付いたら上映が終わってた…もう一度スクリーンで観たい…
そんな2014年の心残りを解消してくれる映画ファン必見の特集上映『見逃した映画特集2014』のラインナップが発表!!

ラインナップは、今年大ヒットしたウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』、スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』、来日も果たし、話題を集めた御年85歳の世界的巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー監督23年ぶりの新作『リアリティのダンス』、殺人行為を当事者が再現するという手法で物議を醸した『アクト・オブ・キリング』など、今年公開の話題作から選りすぐりの39作品が並ぶ。

また各界からも推薦コメントが届いており『フラッシュバックメモリーズ3D』の監督・松江哲明さんは『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『VHSテープを巻き戻せ!』『FORMA-フォルマ-』。女優/モデルの青柳文子さんは『アデル、ブルーは熱い色』『祖谷物語-おくのひと-』『世界の果ての通学路』。「メタルギアシリーズ」監督/ゲームデザイナーの小島秀夫さんは『ホドロフスキーのDUNE』『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』『複製された男』を推薦している。

あなたはどの映画を見逃してましたか?
注目映画が一堂に並んだこのスペシャルな企画。年末年始は心残りを映画三昧で解消してはいかが。

◆開催概要◆

『見逃した映画特集2014』
http://www.uplink.co.jp/news/2014/34289

日程:2014/12/6(土)〜2015/1/23(金)
会場:渋谷アップリンク(〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階)
お問合せ:tel. 03-6825-5503

【料金】
●1作品:一律¥1,300 /学生・シニア¥1,100 / UPLINK会員¥1,000
※サービスデー適応外

●2本立て上映:
<インドネシア独裁政権の真実>『アクト・オブ・キリング』+『マージナル=ジャカルタ・パンク2014年版』
<ラッパーの夢は団地でひらく>『Nas/タイム・イズ・イルマティック』+『DANCHI NO YUME』
一般¥1,800/学生・シニア・UPLINK会員¥1,500
※サービスデー適応外。

★スケジュールは下記ページにて
http://www.uplink.co.jp/movie-tag/minogashi2014

【渋谷アップリンク】
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/
公式facebook:https://www.facebook.com/uplink.co.jp
公式twitter:https://twitter.com/uplink_jp
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●松江哲明さん(映画監督)が選ぶ3本!

■『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

スカーレット・ヨハンソンが大好きなのに、なぜ『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』を見逃してしまったのだろうか。新作の作業が忙しかったとか上映館が少な過ぎるなんて言い訳でしかない。先日も友人から「映画として良かった」という感想を聞いた。僕はとにかく彼女のおっぱいが見たい。「映画として」は二の次だ。

■『VHSテープを巻き戻せ!』

『VHSテープを巻き戻せ!』は今年最も他人事と思えない映画だった。VHSを手にし、嬉しそうに語る海の向こうのお友達たちの姿に「僕も!」と参加したくなった。きっと本作を見たら同じ気持ちになる人もいるだろう。もちろん「マニアってやーね」と笑うのも可能な映画だ。でも劇場には心を震わせている人がいることも知って欲しい。

■『FORMA-フォルマ-』

『FORMA-フォルマ-』はオーディトリウム渋谷での上映最終日に見た。描きたいことに一切のブレのない力強い映画だった。例え予算があったとしても全く同じ演出、撮影、編集だったのではないかと思えるほど。息詰るような人間関係は暗闇で共有するに限る。

●青柳文子さん(モデル/女優)が選ぶ3本!

■『祖谷物語—おくのひと—』

祖谷に住んでいた友人から祖谷の話を聞いていてずっと興味を持っていたので。

■『アデル、ブルーは熱い色』

衝撃的なシーンだけ友達に見せてもらっただけなので、全編劇場で観たい!

■『世界の果ての通学路』

見逃した!観ないといけない気がするし単純にこの通学路に興味がある!

●小島秀夫さん(ゲームデザイナー/「メタルギア」シリーズ監督)が選ぶ3本!

■『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』は今年のマイベスト1。あらゆる観客に理解できる様、わかりやく咀嚼せざるを得なくなった昨今のハリウッド娯楽(ブロックバスター)映画とは一線を画す。これ程までに観客を突き放した映画はなかなかない。しかも、難解であるのではなく、シンプルでかつ深みがある。そういう意味では『2001年宇宙の旅』を彷彿させる。奇才ジョナサン・グレイザーが挑んだ、SFとしても、もちろん映画としても観るべき傑作。

■『ホドロフスキーのDUNE』

『ホドロフスキーのDUNE』は一言で言うと、鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーから勇気を貰える作品。特に日々物創りと葛藤している人、クリエーターを目指している人達にとっては、特別な映画になるはず。あの伝説ともなったホドロフスキー版「DUNE」を巡る証言集だが、完成していないのにもかかわらず、「DUNE」の完成イメージがビビッドに伝わってくる。制作者達のビジョンと情熱が数十年経った今も、未来に向かって溢れ出ている。そして、それが今の時代にも継承されている。当時のクリエーター達の猛烈なエネルギーと質量を「メイキングでもドキュメンタリーでもない」尺に写し取った新しい概念の映画である。

■『複製された男』

『複製された男』は、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの原作小説『複製された男(英題:The Double)』を映画化した作品。メガホンを取ったのは『灼熱の魂』や『プリズナーズ』の天才カナダ人監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴ。とにかく、冒頭から惹きつけられる。困惑させられる。そして、ラストにはあっと驚く衝撃の仕掛けが用意されている。プロモーションのコピーや、公開当時のレビュー等から、難解な映画と誤解されがちだが、本作はあえてミスリードを多用した手法は採っていない。意外と直感的でピュアな構成。頭で観ずに心で観るべし。傑作である。

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◆注目の見逃したっ!!!上映作品◆
→上映作品一覧とスケジュールはこちら
http://www.uplink.co.jp/movie-tag/minogashi2014
→上映カレンダーPDFはこちらからダウンロードできます
http://www.uplink.co.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/minogashi2014_web.pdf
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【上映作品】

『アデル、ブルーは熱い色』
監督:アブデラティフ・ケシシュ
2013年/フランス/179分/カラー

『ある優しき殺人者の記録』
監督:白石晃士
2014年/日本・韓国/86分/カラー

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』
主演:スカーレット・ヨハンソン
2013年/イギリス・アメリカ・スイス/108分/カラー

『石川文洋を旅する』
監督:大宮浩一
2014年/日本/109分/カラー

『祖谷物語 -おくのひと-』
監督:蔦哲一朗
2013年/日本/169分/カラー

『黄金のメロディ マッスル・ショールズ』
監督:グレッグ・“フレディ”・キャマリア
2013年/アメリカ/111分/カラー

『大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院』
フィリップ・グレーニング
2005年/フランス・スイス・ドイツ/169分/カラー

『グランド・ブダペスト・ホテル』
監督:ウェス・アンダーソン
2013年/イギリス・ドイツ/100分/カラー

『こっぱみじん』
監督:田尻裕司
2013年/日本/88分/カラー

『殺人ワークショップ』
監督:白石晃士
2014年/日本/75分/カラー

『サッドティー』
監督:今泉力哉
2013年/日本/120分/カラー

『ジプシー・フラメンコ』
監督:エヴァ・ヴィラ
2012年/スペイン/84分/カラー

『世界の果ての通学路』
監督:パスカル・プリッソン
2012年/フランス/77分/カラー

『そこのみにて光輝く』
監督:呉美保
2013年/日本/120分/カラー

『ダブリンの時計職人』
監督:ダラ・バーン
2010年/アイルランド・フィンランド/94分/カラー

『罪の手ざわり』
監督:ジャ・ジャンクー
2013年/中国・日本/129分/カラー

『ドストエフスキーと愛に生きる』
監督:ヴァディム・イェンドレイコ
2009年/スイス・ドイツ/93分/カラー

『なまいきチョルベンと水夫さん』
監督:オッレ・ヘルボム
1964年/スウェーデン/92分/カラー

『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』
監督:長田紀生
2012年/日本/99分/カラー

『her/世界でひとつの彼女』
監督:スパイク・ジョーンズ
2013年/アメリカ/126分/カラー

『VHSテープを巻き戻せ!』
監督:ジョシュ・ジョンソン
2013年/アメリカ/91分/カラー

『FORMA-フォルマ-』
監督:坂本あゆみ
2013年/日本/145分/カラー

『複製された男』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
2013年/カナダ・スペイン/90分/カラー

『FRANK -フランク-』
監督:レニー・アブラハムソン
2014年/イギリス・アイルランド/95分/カラー

『ぼくを探しに』
監督:シルヴァン・ショメ
2013年/フランス/106分/カラー

『ほとりの朔子』
監督:深田晃司
2013年/日本・アメリカ/125分/カラー

『ホドロフスキーのDUNE』
監督:フランク・パヴィッチ
2013年/アメリカ/90分/カラー

『マザー』
監督:楳図かずお
2014年/日本/84分/カラー

『物語る私たち』
監督:サラ・ポーリー
2012年/カナダ/108分/カラー

『山口冨士夫/皆殺しのバラード』
監督:川口潤
2014年/日本/96分/カラー

『リアリティのダンス』
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
2013年/チリ・フランス/130分/カラー
 
『リヴァイアサン』
監督:ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ヴェレナ・パラヴェル
2012年/アメリカ・フランス・イギリス/87分/カラー

<日替わり上映>
キートス カウリスマキ
監督:アキ・カウリスマキ

『コントラクト・キラー』
1990年/フィンランド+イギリス+ドイツ+スウェーデン/カラー/80分
『マッチ工場の少女』
1990年/フィンランド+スウェーデン/カラー/70分
『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』
1989年/フィンランド+スウェーデン/カラー/79分

<2本立て>
ラッパーの夢は団地でひらく

『Nas/タイム・イズ・イルマティック』
出演:Nas
2014年/アメリカ/74分/カラー

『DANCHI NO YUME』
出演:ANARCHY
2008年/アメリカ/86分/カラー

<2本立て>
インドネシア独裁政権の真実

『アクト・オブ・キリング』
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
2012年/デンマーク・インドネシア・ノルウェー・イギリス/121分/カラー

『マージナル=ジャカルタ・パンク2014年版』
監督:中西あゆみ
2014年/日本・インドネシア/63分/カラー

執筆者

Yasuhiro Togawa