この度、映画『TOKYO TRIBE』のブルーレイ・DVD を 2015 年1 月6 日に発売することとなりました。世界初のバトル・ラップ・ミュージカルとして劇場公開時から話題となっておりました作品の待望の DVD 化です。
世界各国の映画ファン・批評家から高い評価を受けている園子温監督作ですが、この『TOKYO TRIBE』は、自身の監督作品としては の監督作品としては初の国内興収2億円を突破した作品です。

『TOKYO TRIBE』ブルーレイ・DVD 1/6発売 園子温監督コメント

■園監督作品、最高のヒット作になりました。おめでとうございます。
園子温(園):宣伝費からすれば大ヒットだよね。笑

■公開時に、「とにかくお客さんに楽しんでもらえるものを目指す」と仰っていました。
園:いわゆる日本映画ってヒットするための露骨な戦略とかがあるんですけど、今回、老若男女すべてを取り込もうという気はなかった。それでも多くの人に観て貰ったということは、つまりそれが受け入れられたということだと思うから、凄く良かったと思います。

■バトル・ラップ・ミュージカルという新しいジャンルに挑戦されました。
園:地域ごとのHIPHOPのTRIBE(族)やラッパーに会った時に、彼らをそのまま出してしまえば、面白くなるんじゃないか、というアイデアが浮かんで作品の方向性も決まった。実際の撮影をする前に、試しにセリフをラッパー達にやってもらったら凄くうまい具合にいって、これはいけると思ったよ。HIP HOPには全く詳しくなかったけど、中途半端になるよりは、プロの彼らがいるわけだし、自分はむしろ勉強しないままのほうがいいと思ったんだよね。

■鈴木亮平さんや染谷将太さんをはじめ、キャストも皆ラップを披露しています。不安要素はなかったのでしょうか。
キャスティングの時点でラップをやってもらうことは決まっていたのですか?
園:不安はなかった。むしろラップというのはある種の演技力が必要なものだと思うから、役者もすぐにできるという確信がありましたね。キャスティングでは、ラップよりもあくまでアクションができる人というのが大事でした。この映画はスタントなしで全編やっているので。

■アクションを俳優さんが実際にやっていることを見せるために、長回しにこだわられたとか。
園:最近の日本のアクション映画って、ハリウッド方式の何やっているか分からない手ぶれの撮影とか、カット割りも激しくてスタントと本人が入り乱れるような映画が多い。今回は、もう少し昔の映画のような落ち着いたアクションにしたいと思ったんだよね。実際本人がやっているわけだから、わざわざカットを割る必要はない。

■アクションといえば、清野菜名さんはアクションも素晴らしくて本当に魅力的でした。 ■アクションといえば、清野菜名さんはアクションも素晴らしくて本当に魅力的でした。
監督は以前からは新人発掘に定評があります。やっぱり新しい才能を発掘していくのは楽しいですか?
園:発掘が楽しいというか、逆にいうと、みんな有名な俳優だけを使ってて楽しいのかなと思うんですよ。イメージが定着した芝居って何がおもしろいのか分らない。誰も見たことのない人たちにスクリーンの中で初めて出会うほうが醍醐味がある。だから楽しいといえば楽しいけど、僕にとっては普通のことですかね。
今回はYOUNG DAIS とヒロインを演じた清野菜名。あの二人が今、着実に仕事をゲットしているみたいで、そういうのを聞くと「良かったな」と思うよ。

■監督はコアなファンも多いですが、作品自体はジャンル分けができないというか、常に進化、変化してますよね。
園:『愛のむきだし』を観た人が次に『冷たい熱帯魚』を観た時は、裏切られた感じがしたかもしれない。そこから今度はエログロの監督というイメージになっちゃったけど、エログロも今はもうやってない。今後も固定されたイメージで作っていくつもりはないです。一番大事なのはオリジナリティですよ。作風は変わってもオリジナリティは尊重していかないと。

■DVD 特典としてオーディオコメンタリーも収録されています。監督も参加されていますよね。
園:僕の発言なんて、ピーピー放送禁止用語ばっかりですよ。その分、亮平・DAIS・清野が真面目なトークをしてくれています。あとはメイキングだね。軽やかな作品にするために限界までアクションシーンを削ぎ落としたから、大事なシーンが落ちていたりする。カットしたラッパーのアクションは見ものだと思うよ。あと、これは裏話なんだけど、亮平がやりすぎちゃって、頭突きのシーンで頭から血を流してたらしいんだ。僕は知らなかったんだけどさ。
結局、そのシーンも本編ではカットしちゃったんだ。あ、でもこれはDVD にも入ってないな(笑)。

「TOKYO TRIBE」
1 月6 日ブルーレイ&DVD 発売
価格:ブルーレイ¥5,800 DVD¥4,800 (税抜)
発売元:日活 販売元:ハピネット

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執筆者

Yasuhiro Togawa