死神は涙を流すと人間になれる。しかし人間に乗り移った死神が出会ったのは、あらゆる災いを引き起こす女だった。涙というキーワードでしっとり泣ける映画だと思ってしまったら要注意。なぜなら死神はハンバーグを食べるために人間になったのだから。死神というキーワードで一歩引いてしまっても要注意。なぜなら死神以外の神々も出てくるのだから。そのような物語をコミカルかつ真剣に、さらにハイテンポで描き、たたみかけるように展開することで、新たなグルーヴを生み出すことに成功した。新感覚エンタテインメント映画の誕生である。ダブル主演の芹澤興人と小堀友里絵はもちろん、脇を固める個性的なキャスト陣にも要注目。(東京国際映画祭作品紹介より)

○個性派俳優が結集
独特の風貌で「舟を編む」「福福荘の福ちゃん」等の作品に出演する芹澤興人と現在、声優としてアニメ「妖怪ウォッチ」で声の出演をしている小堀友里絵がダブル主演。
宮本亜門や白井晃演出の舞台等演劇界での活躍が目覚ましい岡田あがさ、原田裕司監督や今泉力哉監督など次世代監督の作品に多数出演する竹田尚弘など様々な場で活躍する個性的な俳優が勢揃いしてコミカルに独特のキャラクターを演じている。

○短編「カリカゾク」で注目された塩出太志監督の長編デビュー作
形だけの家族のつながりをちょっとかわった女子高生の視点でハイテンション&ハイテンポに描いた短編映画「カリカゾク」(2012年製作/20分)がLA EigaFestゴールデンジパング賞&観客賞をはじめ、国内外で10の映画祭で14の賞を受賞し、本作の製作に臨んだ。

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執筆者

Yasuhiro Togawa