心に傷を負うネイティブ・アメリカンのジミーと流浪の精神分析医のジョルジュ。
国籍も境遇も異なるふたりの男の出会いと友愛が導いた静かな“奇跡”とは。
 アメリカ、モンタナ州に暮らすアメリカ先住民、ジミーは、第二次世界大戦からの帰還後、原因不明のさまざま症状に悩まされカンザス州の軍病院に入院する。そこで精神分析医であり人類学者でもあるジョルジュと出会う。
ジョルジュと対話を重ねるうちに、ジミーは自らの心のなかに宿っている闇に触れることになる。そして、ふたりの対話診療という、言葉を通じた親交は、患者と医師という関係を超え、お互いにとって忘れられない時を刻んでゆく・・・。

 デプレシャンにとって、カンヌ国際映画祭コンペティション部門5回目の出品となる本作は、アカデミー賞助演男優賞、カンヌ映画祭男優賞を受賞している実力派ベニチオ・デル・トロと、デプレシャン組の常連で自ら監督もしている個性派マチュー・アマルリックを主演に迎え、世界から注目された。また、デプレシャン自身がかねてより映画化を考えていたというジョルジュ・ドゥヴルー著「夢の分析」を原案に、実話をもとにアメリカで撮られた本作は、監督の新境地として高く評価された。

予告編::http://youtu.be/-N4xynfMl7E

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執筆者

Yasuhiro Togawa