ニッポン最後の百姓一揆・完結編

“空の表玄関”を称する成田国際空港の周囲では、機動隊による厳重な検問が現在もつづけられている。
大型機が離発着を繰り返すA滑走路南端では、闘争遺跡“岩山要塞”が不気味な姿をさらしている。二本の滑走路と旅客ターミナルビルや駐機場を結ぶ誘導路に囲まれた畑では老農夫が種をまいている。

いまも反対を貫く老農夫は、その理由を問われ、「多くの人が死んだからね」と寂しげにつぶやいた。
空港反対闘争に人生を歪められた人びとの独白が、国と村、お互いの深傷(ルビ/ふかで)を明らかにしていく。
その長い口承物語がついに浮き彫りにするのは、最後の抵抗者が愚直に守りつづける死者の言葉だった。

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執筆者

Yasuhiro Togawa