この度、実話をもとに人生の宝物ともいえる出会いと永遠の別れを描いたメキシコ映画『マルタのことづけ』が、10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開となります。本作は、メキシコ第2の都市・グアダナハラを舞台に、新星女性監督クラウディア・サント=リュスが自らの実体験をもとに“遺していく母”と“遺される子どもたち”を描いた作品です。
パトリス・ルコントが審査員長をつとめたヒホン国際映画祭では、審査員特別賞を受賞するなど、各国の映画祭で賞を重ね、鮮烈なデビューを飾りました。撮影は、アニエス・ヴァルダをはじめ名匠の作品に携わってきたアニエス・ゴダール。
母の死を前に張りつめた家族の時間を、繊細なタッチでとらえます。
限られた時間を全力で生きる母マルタの姿は、観客にも『本当に大切なものとは何か』を考えさせます。

様々な視点で描かれる、親と子の物語がおもしろい!注目作、続々登場…!!
『マルタのことづけ』が公開される秋には、同じく≪親と子≫をテーマにした話題作が続々公開となります。
世の中には人の数だけ親子のかたちがあるように、今秋公開される映画もまた、それぞれ全く異なった≪親と子≫の姿を描きます。
現在公開中の映画『グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子』では、車いす生活を送る少年と父親がトライアスロンに挑戦する物語。
父と息子の関係性は良好とはいえない状況ですが、そんな二人が同じ目標に向かって挑戦しながら成長していく姿を感動的に描いた、アスリート界では名の知れた実在のホワイト親子をモデルにした作品。

また、9月27日公開『不機嫌なママにメルシィ』は、ギョーム・ガリエンヌが監督・脚本・主演の注目作で、こちらは自叙伝をもと映画化した母親と息子の話。ギョームは、本人である息子、そして母親と、一人二役で演じているところが見どころのひとつ。
エレガントな母親に憧れて女の子のように育った息子が、自分探しをする姿を描いた本作は、本国フランスで300万人を超える動員数を記録したヒット作となりました。
他にも、アメリカのシンガーソングライター、ジェフ・バックリィの伝記をもとにした、10月18日公開『グッバイ・アンド・ハロー父からの贈りもの』では、父であり伝説的ミュージシャン、ティム・バックリィの偉大すぎる存在との間で苦悩する息子ジェフの姿を描きます。

親孝行したい、親孝行できていない、すべての人たちへ…
今秋公開される≪親と子≫を題材にした映画は、どれも実話をベースにしているのが面白いところ。
やはり、いくら年齢を重ねても≪親と子≫の関係というものは、誰もが永遠に見つめるべきひとつのテーマなのかもしれません。
10月公開の映画『マルタのことづけ』は、余命いくばくもない母マルタと、その子供たち、そして偶然にも彼らと共に時間を過ごし家族の中に入っていくひとりの女性を描いた作品です。家族とは一体何なのか、親とは一体なんなのか…
映画『マルタのことづけ』には、その答えのヒントが隠されています。映画を観終わった後にはきっと、「実家に連絡してみよう!」「親孝行しよう!」
そう思わずにはいられないはず。今秋公開の≪親と子≫映画を観て、あらためて『親子』について考えてみてはいかがでしょうか。

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執筆者

Yasuhiro Togawa