常にセンセーショナルな作品を放ち続ける園子温監督が挑む最新作は、近未来の”トーキョー”を舞台に、ストリートギャングたちが大暴れする『TOKYO TRIBE』。90年代ストリートカルチャー&ファションを牽引した累計250万部超え、井上三太による伝説的コミックの映画化となります。
本作は、劇中の台詞がほぼ全編ラップ!という世界発の心に挑戦した意欲作。カナダで開催中のトロント国際映画祭でのオープニング上映では観客が大興奮!つづきパリで開催中のエトランジュ映画祭でも、世界の鬼才ホドロフスキーやジュネ・キャロが本作を鑑賞するなど、世界中で話題となっております。
そんな中、主要キャストであり初日舞台挨拶に仕事の都合で駆けつけられなかった、窪塚洋介さんよる大ヒット御礼トークイベントを実地させていただきました。サプライズで叶美香さんも登壇し、会場は大盛り上がり!

■日程:9月13日(土)15:30〜15:50
■場所:渋谷シネクイント(渋谷区宇田川町14−5 渋谷PARCO PART3 8F)
■登壇者:窪塚洋介、叶美香

上映終了後、観客が大きな拍手で迎える中、窪塚洋介さん、叶美香さんが登場。サプライズ登壇となった叶美香さんが登場すると、会場からは歓声が上がった!

完成した映画について叶は「いまだかつてない程エンターテイメント性の高い作品になったと思います。一見、ストーリーが全くないのですが、すごくピースフルでハートフルなメッセージが中に込められていると思います。」と語った。続けて窪塚も「本当に”怪物”ができたな、と。見たことない映画だったと思います。台本読んだ時点ではわからなかったけれど、できあがりを見てみるとここまで見たことのない触感というか感覚になるようなものができたのかと思うと本当に嬉しいです。」と未だかつてない作品が完成したことへの喜びを語り、客席に「どうでしたか?」と尋ねると、「サイコー!」の声が飛び交った。

ハマり役と言われた“ンコイ”を演じたことについて窪塚は、「もともと最近こういう役が多いなあと思っていたんです。そんな育ち方してないんですけどね、本当は。まっすぐ育ってきたつもりだったんですけど…。そういう感覚をみんな僕に持っているんだろうなというのがひしひしと伝わってきていたので、これはもう全うするしかないなと。もともと原作を読んでいまして、すごく人気があったし、すごくストリートのにおいがプンプンしていた漫画でした。まさか10年、20年経って自分がンコイを演じられる日が来るとは。お母さんごめんねって思いました。」と会場の笑いを誘った。
ブッバの妻エレンディア役について叶は「今回はもう台本をいただいた時点で、難しいなと思っていました。」
「ぴったりでしたよ」という窪塚に、「監督が何回も台本を書き換えてくださり、ようやく出演させていただくことになりました。皆さん「役作りはしなくていいよね」とおっしゃってはくださったのですが…。エレンディアというのは少し精神を病んでいるんだと思うんですね。母でもなく、妻でもなく、女性として生きている、異空間で生きている女性をいかに演じるかというのはとても難しかったです。」と役作りの難しさを語った。

撮影現場の様子について叶は「いろんな方がいらっしゃって、異空間のようでしたね。」続けて窪塚も「めっちゃ異空間だったよね。ラッパーがいて、美香ちゃんのような人がいて、しょこたんがいて、竹内力さんがいて、カオスって感じでしたね。美術にしても役者にしてもみんながフルパワーで稼働していました。」と異色のコラボレーションでありながらもエネルギーに溢れた現場の様子を語った。

「卍LINE」の名でレゲエDJとして活動し、今回ンコイのリリックを自身で書いた窪塚は「人が書いたリリックよりは自分で書いたものの方が断然覚えやすいんですよ。思い入れも入りますし。ちょっとマジメな話をしますと、監督はその作品の全てに責任を持つべきだと思うんですが、役者はそれぞれの役に監督以上に責任を持つべきだと思っています。そしたら監督も安心してその役を役者に委ねながら全体の空気を作っていくことができますよね。そうするとンコイのリリック書くのは誰が一番良いのかとなると、俺が書くのが一番良いわけです。一番下の弟がRUEEDっていうヤツでレゲエのDJをやっているんですが、たまたまウチにいて「俺もやりたい」って。なので前半は俺、後半はRUEEDがンコイのリリックを書いています。」と役者として熱い考え方を持った一面をみせた。

最後に皆さんに一言。
叶「みなさんいろんな感想がおありだと思います。いろんな意味が込められた映画、とてもピースフルな映画だと思いますのでいろんな方に紹介していただければと思います。本日はどうもありがとうございました。」
窪塚「さすがです。このバトルラップミュージカルを捕まえて「ピースフル」とは…。こんな時代になってしまいましたけれども、こういう映画でエネルギーを、バイブスを、熱量を、自分の中に取り込んでサバイブして行きましょう!みなさんもTOKYO TRIBEです。今日はありがとうございました。」

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執筆者

Yasuhiro Togawa