1993年アーカンソー州ウエスト・メンフィスで起きた、少年たちが殺害された陰惨な事件の犯人として、3人の未成年者が逮捕された。殺された少年たちは手足を靴紐で縛られ、体には人間の所業とは思えない暴行の痕があり、戦慄した地元住人らは3人を激しく糾弾、全米のメディアが小さな田舎町に押し寄せた。

『スウィート ヒアアフター』の名匠アトム・エゴヤン最新作『デビルズ・ノット』は、実際に全米を震撼させた“ウエスト・メンフィス3事件”を映画化したサスペンス・ミステリー。事件を生々しく追ったドキュメンタリーのテレビ放映をきっかけに、史上最悪の冤罪事件ではないかとの疑いが浮上。ジョニー・デップ、ウィノナ・ライダー、ピーター・ジャクソン、パール・ジャムのエディ・ヴェダーといった大勢の著名人が3人への支援活動を繰り広げるなど、社会現象へと発展していった。報道記者として活躍してきたマラ・レヴェリットのベストセラー・ノンフィクションを原作とする本作では、豪華実力派キャストが配された登場人物はすべて実在&実名のキャラクター。

『英国王のスピーチ』のコリン・ファース、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のリース・ウィザースプーンというオスカー俳優ふたりが事件の重要な関係者を演じ、加えてデイン・デハーン、アレッサンドロ・ニヴォラ、ミレイユ・イーノス、といった実力派俳優たちが厚みのあるアンサンブルで、映画に真実味を与えている。

アメリカ犯罪史上希にみる“未解決事件”と言われるこの事件の真相はどこにあるのか?警察による呆れ返るような証拠紛失や自白強要、事件と何ら関係のない“証人”たちの作り話、さらに保守的な地域特有のアウトサイダーへの偏見といった根深い問題をあぶり出しながら、事件の裏側では実際なにが起こっていたのか、真犯人は一体誰なのか、悪魔より恐ろしい人間の闇をまざまざと浮き彫りにしていきます。

予告編::http://youtu.be/S9QEKSHOTkw

【キーアートも公開!】
ポスター中央には、事件の成り行きに不審さを感じ独自で調査を開始する私立探偵を演じる
コリン・ファースの推理をめぐらす思慮深い姿があり、その背後で苦悩の表情で振り返っているのは、被害者のひとりの母親を演じるリース・ウィザースプーン。周囲の状況に流されず真実を追おうとするふたりの背後には、怪しすぎる事件の関係者たちが散らばっている。警察までも真実を隠そうとし、証言者たちは平気で偽の証言をする。一体ウエスト・メンフィスの田舎町で何が起こっているのか。
真実は事件のあった森よりも更に奥深くに隠されている・・・。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa