『戦場のピアニスト』『ゴーストライター』『おとなのけんか』など大作からアート系作品まで手掛け、数々の賞に輝く鬼才 ロマン・ポランスキー監督最新作『毛皮のヴィーナス』(原題『VENUS IN FUR』)が、12 月 20 日(土)より、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開となる。

「マゾヒズム」の語源となったマゾッホによる伝説の自伝的長編小説「毛皮を着たヴィーナス」に着想を得て書かれた戯曲を映画化。この度、俳優・三上博史氏がナレーションを務めた日本版予告編がついに解禁となった。

本作には、オーディションでの役に没入して、現実と役との境界が曖昧となり、次第に登場人物の立場が次々と入れ替わって、妖しくも官能的な快楽を見出だす男女の濃密な掛け合いが描かれている。本作の世界へ誘うナビゲーターとして、映画、舞台、ドラマと幅広く活躍し、時には性別を超えた役柄にも挑戦して、演技派俳優としての類まれなる才能を発揮し続ける三上氏へ白羽の矢が立った。

三上氏は「密室の中での、濃密な二人のやりとり。刻々と変化する、二人の関係、役どころ。責める喜び、責められる快感が交差する、その高揚感。一役者として、ワクワクしながら覗き見の感覚でした。」と本作の感想を語る。ポランスキー作品はほぼ鑑賞していると語る彼は、ポランスキーと遭遇したという驚きの過去を告白し、「20代の時に、パリのレストランで真後ろの席に彼が座っていたのに遭遇した時は震えました。」と語った。また、劇中で、役を通して快楽に堕ちていく演出家に共感し、役者の視点から「演じていると思わぬフィット感に出遭ったりもします。自己の深くで眠っていた潜在意識(sense)が目を覚ます、発芽する、とでもいうのでしょうか?それが演じることの快楽というか、快感かもしれません。特に、ボクのような凡庸な人間には“だから役者はやめられない!”のです」と語る。演出家・トマ役については、「とても、やりがいのある役だと思います。これまでのスキルと、まだ残っているはずのピュアーな資質を信じて、演じてみたいですねぇ。」と、俳優としても刺激を受けたことを語った。ナレーション収録では細部にまでこだわり、納得がいくまでテイクを重ね、最後には「面白かった」と会心の笑みを浮かべた、三上氏渾身の予告編。
エマニエル・セニエとマチュー・アマルリックのタッグで垣間見える、ロマン・ポランスキーが誘う、誘惑のサスペンスとは—。

予告編::http://youtu.be/EeH9OwrPZ_I

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執筆者

Yasuhiro Togawa