2003年、カナダのトロントにおいて、ある野球チームが最高の名誉であるカナダ野球の殿堂入りを果たした。

そのチームの名は———“バンクーバー朝日”。

戦前のカナダ・バンクーバーで、差別や貧困の中にあってもフェアプレーの精神でひたむきに戦い抜き、日系移民に勇気と誇り、そして希望を与え、さらには白人社会からも賞賛と圧倒的な人気を勝ち得た “バンクーバー朝日”という実在の野球チームがありました。伝説の野球チームの創設100年となる今年、実際の記録をもとに、戦前の日系移民の壮大なドラマを描きます。
そしてこの、バンクーバーを舞台にした映画『バンクーバーの朝日』が、第33回バンクーバー国際映画祭(9月25日〜10月10日)【特別招待作品(ガラプレゼンテーション)部門】に正式招待され、ワールドプレミア上映を行うことになりました。

バンクーバー国際映画祭は1982年よりカナダの都市バンクーバーで開催されている、北米で最大規模の国際映画祭の1つ。国内外の映像作品を紹介し、北米の映画産業活性化の一助となっています。また、東アジア作品の発掘と育成にも力を入れており、最新のアジア映画を紹介する【ドラゴン&タイガー部門】があることも特徴のひとつです。この【ドラゴン&タイガー部門】を含め、当映画祭への石井裕也監督作品の出品は今回で5回目。現地にも馴染みのある石井監督の最新作がバンクーバーを舞台にした作品であるという点でも注目が集まっています。また同映画祭の『バンクーバーの朝日』上映にあわせて、妻夫木聡、亀梨和也、そして石井裕也監督が現地を訪れ、レッドカーペットアライバル&ワールドプレミア上映を実施する予定。本作が現地の人々にどのように迎えられるのか期待が高まります。

【妻夫木聡 コメント】
映画の舞台でもあるバンクーバーでこの作品が世界で一番最初に上映されることに、とても感激しています。
むしろ運命的なものを感じています。現地の方々に、朝日軍の持っていた誇りを感じてもらいたいです。

【石井裕也監督 コメント】
『バンクーバーの朝日』のワールドプレミアがバンクーバー国際映画祭に決まった事をとても嬉しく思います。朝日軍の姿や当時存在していた日本人街の光景は、きっとバンクーバーの方々の目にも新鮮に映るはずです。当時のカナダ人たちは朝日のプレーに熱中していたそうです。それと同じように映画も楽しんでいただければ幸いです。

【石井裕也監督 バンクーバー国際映画祭(VIFF)出品作品情報】
『剥き出しにっぽん』 (2007年 第27回VIFF【ドラゴン&タイガー部門】出品)
『川の底からこんにちは』 (2010年 第30回VIFF【ドラゴン&タイガー部門】出品)
『ハラがコレなんで』 (2011年 第31回VIFF【ドラゴン&タイガー部門 ワールド・ガラ】出品)
『舟を編む』 (2013年 第32回VIFF【ドラゴン&タイガー部門】出品)

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執筆者

Yasuhiro Togawa