1945年、第二次世界大戦下ヨーロッパ戦線を舞台に、たった一台の戦車でドイツ大軍を相手に戦い抜いた、5人の兵士たちの絆を描く今冬最大の戦争アクション超大作『フューリー』が、今年11月に全国超拡大公開となります。

そして今回、ブラッド・ピットの新たな場面写真が解禁となりました。写真は、ブラッド・ピット演じるウォーダディーが中尉に戦闘の状況を報告するシーン。報告を聞き、目を合わそうとしない将校の様子からは、深刻で重苦しい戦況が伝わるワンカットです。
終戦間際の戦場で、ナチスドイツと戦うアメリカ兵士たちの24時間を描いている本作は
圧倒的なリアリティに溢れています。
緊迫の戦車戦闘シーン、ブラッド・ピットをはじめとする俳優陣の役そのものになりきった演技…。本作のリアリティをつくりあげているものは何か。鬼才デヴィッド・エアー監督がこだわりぬいた3つのポイントに迫ります。

①完全主義者!元アメリカ海軍の経歴を持つデヴィッド・エアー監督による当時の忠実な再現

ロサンゼルスの警官の危険な任務と友情をドキュメンタリータッチで描いた『エンド・オブ・ウォッチ』(12)を撮影した際には、「僕は技術的に完全主義者だから、細かい所も全部正しく描きたい。車も、制服も、外見も、態度も、作戦も、行動も、身体的特徴も。警官が映画を観たあとで僕に『完璧だったな』と言ってもらえるようにね。それで僕は報われる」と語っているように、完全主義者のデヴィッド監督。17歳でアメリカ海軍に入隊し潜水艦の乗組員だった経験がある監督は、今回も戦闘シーンで、世界で唯一稼動状態にあるティーガー戦車など、本物の戦車を使用するために粘り強い交渉を行い、戦車操縦訓練の際にはブラッド・ピットを含む、戦車“フューリー”に乗る5人の俳優陣に常に団体行動させるなど、リアリティへの徹底したこだわりをみせている。

②制作者全員が見せた、戦車の内部の部品にまでも“本物”にこだわった情熱

プロダクション・デザイナーのアンドリュー・メンジースは「戦車の内部にも、全て本物の部品を使用しているんだ。」と自信を持って説明。また、作品にリアリティを出す上で一番苦労したことについては、軍事監修のオーウェン・ソーントンが撮影中のエピソードを語ってくれた。「壁をじっと見ていたら、配水管のパイプが見えてバーコードがその上に貼られていたんだ。その時、はっと思った。第二次世界大戦中にバーコードは存在しない。ここにあってはいけないんだ!ってね。思わず泥を一掴みして投げて隠したよ。」と撮影開始直前まで全員がリアリティを追及していたのです。

③本物の兵士に!過酷な撮影現場で見せる実力派俳優たちの役者魂!!

ロンドンでの撮影に入る前、LAに4人の退役兵士を招へいし、プロデューサーもマスコミもいない場で、役者たちと彼らによるディスカッションが行われた。素晴らしい4人の知識と経験に感嘆し何時間も話を聞いた役者たちは、その経験を活かし見事な演技をみせている。軍事監修の1人であるデビッド・スティング・リーは「泥の中を歩き回り、砲弾が当たらないように隔離された牛のそばを過ぎて、けたたましい鳴き声のする牧場を駆ける戦車の間をくぐり抜ける撮影は、本当に大変なものだった。ブラッド・ピットは、遠くから見ると、疲労しているというよりも、セレブではない逞しい1人の兵士だった。セットの中で役者たちに話しかけることができなかったのは、彼らがまさに、故郷に帰ることのできない過酷な状況の兵士たちそのものだったからだ。」と語っています。

米戦車・シャーマンVS独最強戦車・ティーガーの壮絶な戦闘シーンを、本物の戦車を使用して映画史上最大のスケールで描く、戦争アクション超大作『フューリー』は11月全国超拡大ロードショーです。

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執筆者

Yasuhiro Togawa