全米を震撼させ、社会現象を巻き起こした衝撃の実話。
アメリカ史上希にみる‘未解決事件’の裏側に何があったのか?

1993年初夏、ウェスト・メンフィスで児童の猟奇殺人が発生。殺された少年たちは手足を靴紐で縛られ、体には人間の所業とは思えない暴行の痕があった。戦慄した地元住人らはパニックに陥り、全米のメディアは小さな田舎町に押し寄せた。犯行当日の夜、現場近くのレストランに現れた血まみれの黒人男性、児童らの顔見知りだったアイスクリーム売りの若者(デイン・デハーン)など、捜査線上に浮かび上がった不審人物は決め手を欠き、報道が過熱するなか、警察は16〜18歳の若者3人を犯人と断定、逮捕した。未成年者の逮捕に激震が広がる中、事件の成り行きに不自然さを覚えた私立探偵のロン・ラックス(コリン・ファース)は独自で調査を開始する。一方、被害者の母親のひとり、パム(リース・ウィザースプーン)も裁判を通して浮上したさまざまな矛盾に動揺し、人知れず苦悩を深めていた・・・。

 『スウィート ヒアアフター』『アララトの聖母』などで知られるカナダの名匠アトム・エゴヤンの最新作『デビルズ・ノット』は、全米を震撼させた猟奇殺人であり、史上最悪の冤罪とも呼ばれる“ウエスト・メンフィス3事件”を映画化したサスペンス・ミステリーである。警察による呆れ返るような証拠紛失や自白強要、事件と何ら関係のない“証人”たちの作り話、さらに保守的な地域特有のヒステリックな集団心理、アウトサイダーへの偏見といった根深い問題をあぶり出しながら、事件の裏側では実際なにが起こっていたのか、真犯人は一体誰なのか、悪魔より恐ろしい人間の闇をまざまざと浮き彫りにしていく。

予告編::http://youtu.be/S9QEKSHOTkw

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53007

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa