始まりは男が持ち込んだ100万円のニセ札だった!カネに支配された日本を叩き潰す驚くべき目的とは?復讐、潜入、裏切り・・・人間の欲望が渦巻く驚愕の金融サスペンス!
“カネ”に翻ろうされ続ける現代人に向け、作家・島田雅彦が放つ戦慄の金融サスペンス小説を及川光博、黒木メイサのW主演キャストでドラマ化!
 誰にも見破れないニセ札は、もはやニセ札ではないのか?それは血管を流れる血液のように循環し、ウィルスのように日本を蝕んでいく。そのカネは日本を破壊するのか?それとも救うのか?あまりにも精巧なニセ札がばらまかれたことを発端に、若き大富豪、美しい潜入捜査官、ニセ札鑑定のスペシャリスト、謎のコミュニティ代表ら、それぞれの思惑と欲望が渦巻いていく!
 W主演を務めるのはWOWOW連続ドラマW初登場の2人。巨額の資金を操る投資家・野々宮冬彦役の及川光博と、警視庁で経済犯罪を担当する潜入捜査官・宮園エリカ役の黒木メイサ。
 リーマンショック、アベノミクス、仮想通貨“ビットコイン”・・・。いつの時代も人間はカネという見えない価値に翻ろうされ、支配されながら生きている。カネに支配される人間たちを描きながら、人間の本質を浮かび上がらせる驚愕の金融サスペンス!

■及川光博 コメント
今回、連続ドラマW「悪貨」へのご出演が決まった時にお気持ちをお聞かせください。
誠に勝手ながら、原作者である島田雅彦先生にご縁を感じてしまいました。学生時代によく先生の小説を読んでいたこと、デビュー後、僕自身の写真詩集に帯文をいただいたこと、そして今回。企画書の表紙にお名前をみつけた瞬間に、“キター!!”と興奮しましたね。十年前の主演作でご一緒したプロデューサーが声をかけてくれたことにも縁を感じました。

今回演じられる、謎の大富豪・野々宮冬彦の印象をお聞かせください。
一言で言うならミステリアスな男。二言で言えばミステリアスで哀しい男、ですね。
『赤と黒』(スタンダール)の主人公・ジュリアン・ソレルのような…胸さわぎのするキャラクターだなと感じました。

今回、ニセ札を使って日本を破壊しようとたくらむ悪役、という役どころですが、悪役を演じる事についてお気持ちをお聞かせください。
正直、ストレスの発散になりますね(笑)。心の奥底に押し込めた憎悪を解放する“キモチよさ”があります。あ、もちろん演技ですよ?!

相手役となる、宮園エリカ役の黒木メイサさんの印象などがあればお聞かせください。
今回初共演なのですが、僕の楽屋にあいさつに来てくれた彼女はとてもほがらかで、なんともまぶしい笑顔でした。冷たささえ感じさせる麗しい容姿のギャップに、ちょっと萌えました(笑)。

視聴者の皆様へメッセージをお願いします。
孤高のダークヒーローを精一杯、細やかに演じたいと思います。個性と実力を合わせ持った共演者のみなさんにもどうぞご期待下さい!

■黒木メイサ コメント
今回、連続ドラマW「悪貨」のへのご出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
誰が何のために・・・?と先が気になる台本に夢中になりました。

今回演じられる潜入捜査員・宮園エリカについての印象をお聞かせください。
自分の思いと任務に挟まれ、葛藤する女性。

今回、潜入捜査をする刑事という役どころですが、刑事を演じることについてのお気持ちをお聞かせください。
個人の感情を潜入捜査に持ち込んではいけないのかもしれませんが一人の女性として感情も生まれてしまうはず・・・難しい役になりそうです。

相手役となる、野々宮冬彦役の及川光博さんの印象などがあればお聞かせください。
まだご挨拶だけでお話はしていないので分からないのですが台本を頂いた時から謎めいた野々宮さんにぴったりだと思いました。

■原作者・島田雅彦 コメント
WOWOWで「悪貨」がドラマ化されることについてのお気持ちや、ドラマに期待することなどがあればお聞かせください。
ミステリーと社会面の記事が地続きであるように、ドラマは現実を模倣しつつ、現実を越えようとする贋金みたいなものだ。『悪貨』はずっとドラマ化されることを待っていたが、ようやく、機が熟した。パンドラの箱を開く時のワクワク感に震えている。

野々宮冬彦役を及川光博さん、宮園エリカ役を黒木メイサさんが演じるとお聞きになった時の感想や、お二人の印象などがあればお聞かせください。
ミッチーが好きな人は見知らぬ世界に踏み込む勇気のある人だ。メイサの行動が気になる人は危ない橋を渡りたい人だ。『悪貨』のヒーロー、ヒロインにこれほどうってつけの男と女がほかにいるだろうか?

視聴者への皆様へメッセージをお願いします。
このドラマを見たら、もう金持ちになりたいなどと思わなくなります。

原作「悪貨」について教えてください。
カネを巡る小説にはいくつもの優れた先達があり、私もその顰に倣っている。先ずは『日本永代蔵』や『好色一代男』に見られる井原西鶴のナニワ金融道的リアリズムには大いなる敬意を払いたい。ゴーゴリやトルストイにも詐欺を巡る古典的な物語がある。死んだ農奴の戸籍を売買する『死せる魂』は、ホームレスの戸籍を使って、借金を踏み倒す犯罪を彷彿とさせるし、『偽利札』は偽札蔓延のドミノ効果を生々しく描いている。どちらも未完に終わっているのは意味深だ。文学の欲望とは、贋金作りに極まると思うのだが、案外、この領域での仕事は少ないのはなぜだろう?経済の世界には巧妙な詐欺が後を絶たず、それ自体が高度なフィクションであるから、あえて小説などという表現手段に訴えるまでもないということか?
カネを巡る現実は全くもって、この小説よりも奇奇怪怪である。

特設サイト:http://wowow.co.jp/dramaw/akka/

執筆者

Yasuhiro Togawa