第 38 回トロント国際映画祭、第 30 回サンダンス映画祭に正式出品され、第 26 回東京国際映画祭コンペ部門で上映(タイトルは『ザ・ダブル/分身』)された際には、チケットが即完売となり、その注目度の高さを見せつけた話題作。監督は、コメディアン・俳優としても活躍し、本作で長編 2 作目となるリチャード・アイオアディ。デビュー作『サブマリン』(10/第 24 回東京国際映画祭にて上映)で構築したユニークな世界観が各国で高く評価され、映画作家としての名声を一躍確立。英国が生んだ新世代の鬼才として高い注目を集めている。

主演は、『ソーシャル・ネットワーク』(10)のジェシー・アイゼンバーグ。本作で自身初の一人二役に挑み、容姿は同じ、性格は正反対という難しい役どころを見事に演じ分けた。ヒロインには『アリス・イン・ワンダーランド』(10)の若き実力派ミア・ワシコウスカ。製作総指揮には名俳優マイケル・ケイン、共同脚本にはハーモニー・コリンの弟アヴィ・コリンなどそうそうたるキャスト&スタッフが名を連ねている。テリー・ギリアムやデヴィッド・リンチを彷彿とさせるレトロで奇妙なディストピア世界に、劇中歌として 60 年代昭和歌謡(坂本九、ジャッキー吉川&ブルーコメッツ)が挿入されるなど観るものに思いがけない感覚をもたらす本作。もう一人の“自分”の出現によって全てを狂わされていく男の顛末を、ダークユーモアとロマンスをふんだんに効かせて描く 93分間のエキセントリック・ワールドに、あなたもきっとやみつきになる。

このたび、『嗤う分身』日本版予告編が公開された。サエない日々を送る主人公サイモンの目の前に突然現れた、自分と見た目は同じだが性格は正反対のジェームズ。サイモンが想いを寄せるハナをも巻き込みながら、サイモンはやがてずる賢い“もう一人の自分”に恋も仕事も乗っ取られ、追い詰められていく様が映し出される。後半には劇中歌でもある「草原の輝き」(ジャッキー吉川とブルー・コメッツ)にのせ、コミカルで奇妙な世界観が魅力的に展開され、一体サイモンはどうなってしまうのか!?という期待感をあおられる仕上がりとなっている

予告編::http://youtu.be/-NEvoQUnGbI

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執筆者

Yasuhiro Togawa