本国スウェーデンで50万人以上の動員を記録し、国内のアカデミー賞≪ゴールデン・ビートル賞≫にて4部門受賞(監督賞、主演女優賞、助演男優賞、衣装賞)、世界的なジャズシンガーとなったモニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品『ストックホルムでワルツを』(英題:Waltz For Monica)が、11月より新宿武蔵野館他にて全国順次公開となります。

シングルマザーの電話交換手から世界有数のジャズシンガーに—!
北欧中を温かな涙で包んだ感動の実話。
 スウェーデンのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で11部門にノミネートされ、監督賞、主演女優賞など4部門を受賞。人口約950万人のスウェーデンで50万人以上の観客を虜にし、熱い感動の涙を流させた話題作がやって来た。
 主人公のモニカ・ゼタールンドは、スウェーデンが生んだ世界的なジャズシンガー。モダンジャズ全盛期の1961年に、英語ではなく母国語でジャズを歌う画期的な試みによってスターダムにのし上がり、巨匠ビル・エヴァンスとの共演により国際的な名声を築いた世界有数の歌姫だ。本作は、そのモニカが歌手として頂点を極めるまでの波乱に富む数年間に焦点を当てたサクセス・ストーリー。

首都ストックホルムから300km離れた小さな田舎町に住み、電話の交換手をしながら歌の仕事をしていたシングルマザーのモニカが、歌手になることを反対している父との確執や、理想の母親になれない自身への葛藤など多くの試練にさらされながらも、“自分にしか歌えない歌”を探し求める気持ちと理想に向かってアタックする勇気を胸に、仕事と人生の両方の幸せを手に入れるまでを、共感たっぷりに描いた感動作だ。
 
 ドラマを鮮やかに彩るのは、モニカが歌うジャズの名曲の数々。中でも、世界で初めてスウェーデン語でジャズを歌ったモニカの代表作「歩いて帰ろう」(原曲:「ウォーキン・マイ・ベイビー・バック・ホーム」)の、春のそよ風のように軽快でキュートな歌唱は今聞いても新鮮だ。もちろん、モニカの名前を世界に知らしめたピアニストのビル・エヴァンスのナンバー、「ワルツ・フォー・デビー」も忘れられない。カバーを熱望したモニカがエヴァンスに手作りのデモテープを送ったことから、ふたりの共演が実現したという、知られざるエピソードも描かれている。また、背景となる1950〜1960年代は、デンマークのアルネ・ヤコブセン、フィンランドのアルヴァ・アールト、スウェーデンのオーレ・エクセルらが活躍した北欧デザインの全盛期でもある。その時代のインテリアや街並み、そしてファッションを再現したお洒落な美術も本作の大きな見どころだ。

♪本編を彩るジャズのスタンダードナンバーを収録♪
「It Could Happen To You」(作曲:ジミー・ヴァン・ヒューゼン)
「Hit The Road Jack」[邦題:「旅立てジャック」](歌:レイ・チャールズ)
「TAKE FIVE/テイク・ファイヴ」(作詞・作曲:ポール・デスモンド)
「Walkin’ My Baby Back Home」(歌:ナット・キング・コール)
「Waltz for Debby」(作曲:ビル・エヴァンス)  など。

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執筆者

Yasuhiro Togawa