8月16日(土)より公開される『クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落』は、全米で大ヒットを記録した前代未聞のリアル・ドキュメンタリー映画です。ただいま日本公開を前にして注目が集まっているのが、主人公の大富豪夫婦。

本作は当初の豪邸完成ドキュメンタリーとは180度違う、リーマンショックで転落してしまった大富豪の映画として公開されるや、サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門の監督賞を受賞するわ、世界のメディアでも受賞するわ、全米最大のレビューサイトでは94%という驚異の満足度を記録するわ、全米で100万人以上がテレビ観賞するわ、と話題が話題を呼び大ヒットを記録! 

そんななか一時は夫妻と争った女流監督ローレン・グリーフールドの生インタビューで大富豪夫妻の思わぬ素顔が明かされました!

◆シーゲル夫妻の豪邸建築の映画を作ることになったワケ

監督「 2007年雑誌の仕事でドナテラ・ヴェルサーチを写真撮影していたのですが、妻ジャッキーはその当時、ヴェルサーチの上客の一人で、洋服に100万ドルを使っていました。彼女は、とても社交的かつフレンドリーで、彼女の7人の子供たちが自家用機のタラップに立っている写真を私に見せてくれました。その後、彼女からアメリカ最大の邸宅を建設していると聞いた時、私はその話に惹かれて、ぜひ家を見たいと思いました。家を持つことと、アメリカンドリーム、そしてそのアメリカンドリームが、好景気の間にどんどん大きくなっていく様、この三つの関係性に、私は長い間、興味を掻き立てられていたからです。彼女たちの家には映画的な要素があると感じ、最初のインタビューを行い、私はジャッキーとデヴィッドたちを知れば知るほど、彼らの人生を興味深く思えるようになっていきました。

◆監督をとりこにしたシーゲル夫妻

監督「私は、デヴィッドとジャッキーの人生すべてに興味をそそられました。二人が貧しい生まれであることと、無一文から大富豪になったという物語が、皆が思う「普通」の億万長者より、もっと地に足がついた、親しみやすい存在にしているのです。映画を撮影しているさなかに金融危機が起こると、二人の性格の魅力的な面が明らかになっていきました。ジャッキーは信じられないくらい心が広く、付き合いやすい女性です。デヴィッドの労働観や、事業や従業員に対するひたむきな献身ぶりは、尊敬に値します。しかし、二人はアメリカ最大の邸宅を建設するという、ほとんどの人が、常軌を逸していてやりすぎだと考えるような目標を掲げましたが、リーマンリョックや、財政的な苦労によって、現実の世界に呼び戻され、それがある意味、思いもよらなかった形で、彼らを共感できる存在にしたのです。」

◆監督が観た大富豪の素顔!

監督「撮影で夫妻を知るにつれ本当に驚いたのは、デヴィッドがラスベガスでではなく、自分の事業において、ギャンブラーだったということ。彼は10億ドル以上の大金を持っていましたが、6億ドルのラスベガスタワー(その当時、世界で最も高いタイムシェアのビルになる予定でした)建設に必要だったビジネスローンの個人的な保証人になり、資産の全てを事業の成長に賭けたのです。また最初は、ジャッキーにも驚かされました。彼女は自家用機や豪邸を持ち、買い物三昧する億万長者の生活を愛しているように見えます、しかし、金融危機に見舞われると、家族を大事にする思いや、夫への愛が引き出されます。  私が思っていたほど、彼女にとってお金は重要ではなく、どんなことがあっても夫のそばにいるであろうことは明白でした。ジャッキーは自分にお金が無い時でも、困っている友人にお金を貸してあげていましたし、つらい時期も家族をまとめようと努力していました。ジャッキーもデヴィッドも、金融危機による厳しい日々を通じ、サバイバーとしての彼ら本来の姿を見せてくれたのです!」

最後に監督は「金融危機が世界中に与えた影響から我々が学んだように、アメリカンドリームは、世界中で同じような例をもつどこにでもあるような夢なのです。日本の観客の皆さんにこの映画を楽しんでいただければと思います」とメッセージを送った。

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執筆者

Yasuhiro Togawa