「八日目の蝉」など女性層に抜群の人気を誇る直木賞作家・角田光代の同名ベストセラー小説を、日本アカデミー最優秀作品賞他各賞を受賞した『桐島、部活やめるってよ』の鬼才・吉田大八監督がメガホンをとり映画化した『紙の月』(松竹配給)。一人の女性が聖と悪の両面を抱えながら堕ちていく様を、その独特の映像センスとテクニックを駆使し、スピード感をもってスリリングに描き出します。
この度、本作の主題歌が、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコの『Femme Fatale』に決定したことを発表いたします。

真っ当な人生を歩んでいたはずの平凡な主婦が起こした、巨額横領事件。何不自由のない生活を送っていたはずの彼女に何が起きたのか—。主人公・梅澤梨花を演じるのは、今や日本を代表するトップ女優として舞台・映画・テレビと八面六臂の活躍を見せる宮沢りえ。2007年の『オリヲン座からの招待状』以来、7年ぶりの映画主演となります。

 主題歌『Femme Fatale(邦題「宿命の女」)』は、1965年に結成され、その後、多くのアーティストに影響を及ぼした伝説的なアメリカのロック・バンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに、アンディ・ウォーホルの提言によって、ドイツ生まれの女優/モデルでもあるニコがリード・ヴォーカルとして参加し、制作された名曲。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコの楽曲が映画の主題歌に使用されるのは、日本では初めてのこと。
また、海外アーティストのオープニング・アクトやリミックスを手掛け、各方面で高い評価を得ているlittle moaと、広告・劇伴音楽など幅広く活躍している小野雄紀、山口龍夫が劇中の音楽を担当しています。

【 『紙の月』プロデューサー・池田史嗣 松竹㈱ コメント 】

まさか、本当に使用許諾が下りるとは思っていませんでした。ヴェルヴェッツはまさにロック界のレジェンド、後世への影響力はビートルズに匹敵するバンドで、日本映画での使用が認められたことを光栄に思うと同時に、古今東西あらゆる楽曲の中でこの作品に一番相応しい最高の曲を得たこと、吉田大八監督とともに狂喜しています。

世界的に有名なバナナのアルバムジャケットに象徴されるアンディ・ウォーホルの独創的なプロデュース、 昨年急逝した至高の天才、ルー・リードによる浮遊感溢れるサウンド、そして「退廃の女王」ニコの気怠くも耳から離れない魅惑的なボーカル。『Femme Fatale』は全てが伝説的で、危険なほどに美しい歌です。

それが、宮沢りえさんが圧巻の演技で憑依した本作の主人公・梨花が迎える衝撃的なラストと完璧に合致し、単なる犯罪者であるはずの彼女が曲名の通り誰よりも美しい「宿命の女」に昇華する、映画ならではの刺激的なエンディング。是非、劇場で体感してください。

主題歌『Femme Fatale』(宿命の女)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
Words & Music By Lou Reed
© Oakfield Avenue Music Ltd.
Licensed by EMI Music Publishing Japan Ltd.

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、ルー・リードとジョン・ケイルを中心に1965年に結成されたアメリカのロック・バンド。1973年までに5枚のオリジナル・スタジオ・アルバムを残した。活動中には商業的な成功を得ることは出来なかったが、多くのアーティストがその影響を口にするなど、現在でもその評価は上がり続けている。解散後、メンバーはそれぞれがソロ活動を行った。ヴォーカリストでもあるルー・リードは残念ながら2013年10月27日に71歳で没している。
楽曲「Femme Fatale(邦題「宿命の女」)」はルー・リードの作詞・作曲、アンディ・ウォーホルの提言で制作に参加したドイツ生まれの女優/モデルであるニコのリード・ヴォーカルによる名曲。ウォーホルのプロデュース/ジャケット・デザインによるファースト・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』に収録された。

アルバム
『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』
UICY-25093 / 1,851円(税込)
ユニバーサル ミュージックより発売中
<曲目>
1.日曜の朝 2.僕は待ち人 3.宿命の女 4.毛皮のヴィーナス
5.ラン・ラン・ラン 6.オール・トゥモロー・パーティーズ
7.ヘロイン 8.もう一度彼女が行くところ 9.ユア・ミラー
10.黒い天使の死の歌 11.ヨーロピアン・サン

ユニバーサル ミュージック サイト
http://www.universal-music.co.jp/velvet-underground-nico/

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執筆者

Yasuhiro Togawa