父親は、たった一人の娘を亡くした被害者になり、そして殺人犯となったー
『オールド・ボーイ』『悪魔を見た』を遥かに凌駕する、戦慄の復讐劇!!

人気作家・東野圭吾氏の原発を題材にしたサスペンス小説「天空の蜂」が実写映画化され、2015年に全国ロードショーとなる。メガホンを取るのは、『20世紀少年』『トリック』シリーズなどの堤幸彦監督。また、江口洋介と本木雅弘がこの新作映画で初共演を果たすことが話題になっている。
これまでに東野圭吾氏による小説は数多く映画化されてきたが、韓国でも『白夜行』『容疑者Xの献身』などが相次いで映画化されていることをご存知だろうか。そして今年4月には『さまよう刃』が製作・公開され韓国で大ヒットを記録、9月6日(土)より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷にて日本公開が決定した。8月初旬にはイ・ジョンホ監督と父親役を演じたチョン・ジェヨン氏の来日が決まっており、まだまだ東野氏の話題で持ちきりになりそう。原発や少年法をテーマに社会へ問題定義を投げかけた2作品だけに、今から公開が待ち遠しい。

最愛の娘を未成年の少年たちに陵辱され殺された父親は激情し、少年たちを追い詰める。その父親への同情の念を持ちつつも、職業倫理を貫かねばならず、少年法の矛盾に疑問を持つ警察官。
父親は復讐を果たすことが出来るのか?
切なく静かな激情の刃、それは不条理な正義・・・・。
「正義」とは何か?遺族に「救済」はあるのか?
原作をより深く掘り下げ、社会の普遍的な矛盾点を浮き彫りにし、怒り、悲しみ、空しさだけではなく、あなたの胸に重い何かを残す重厚な人間ドラマに仕上がっている。

また、本作では韓国を代表する演技派俳優の豪華共演を果たしている。娘を殺され、悲しみと苦悩、怒りの果てに少年たちに復讐する父親に青龍映画賞をはじめとする様々な賞を受賞し、出演する作品ごとにそのキャラクターがもつ魅力を極大化させ“千の顔”と呼ばれるチョン・ジェヨン。そして、加害者保護の「少年法」に疑問を感じ悩み葛藤する刑事をスクリーンとテレビドラマを縦横無尽して安定的で深みのある演技力で存在感を放つ演技派俳優イ・ソンミンが熱演し見ごたえのある本格クライム・サスペンス映画に仕上がっている。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52295

執筆者

Yasuhiro Togawa