監督は、コメディアン・俳優としても活躍し、本作で長編 2 作目となるリチャード・アイオアディ。デビュー作『サブマリン』(10/第 24 回東京国際映画祭にて上映)で構築したユニークな世界観が各国で高く評価され、映画作家としての名声を一躍確立。英国が生んだ新世代の鬼才として高い注目を集めています。

主演は、『ソーシャル・ネットワーク』(10)のジェシー・アイゼンバーグ。本作で自身初の一人二役に挑み、容姿は同じ、性格は正反対という難しい役どころを見事に演じ分けました。

ヒロインには『アリス・イン・ワンダーランド』(10)の若き実力派ミア・ワシコウスカ。製作総指揮には名俳優マイケル・ケイン、共同脚本にはハーモニー・コリンの弟アヴィ・コリンなどそうそうたるキャスト&スタッフが名を連ねています。テリー・ギリアムやデヴィッド・リンチを彷彿とさせるレトロで奇妙なディストピア世界に、劇中歌として 60 年代昭和歌謡(坂本九、ジャッキー吉川&ブルーコメッツ)が挿入されるなど観るものに思いがけない感覚をもたらす本作。もう一人の“自分”の出現によって全てを狂わされていく男の顛末を、ダークユーモアとロマンスをふんだんに効かせて描く奇想天外なエキセントリック・ワールド!第 26 回東京国際映画祭コンペ部門では『ザ・ダブル/分身』で上映され、チケット即完売でその注目度の高さをみせつけた話題作です。

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執筆者

Yasuhiro Togawa