2011年に大ヒットを記録した映画『しあわせのパン』の三島有紀子監督と主演の大泉洋が再び組んだ最新作『ぶどうのなみだ』の予告編が公開されました。

 北海道、空知(そらち)で葡萄を育てワインをつくる兄のアオと、父が遺した小麦を育てるひとまわり年の離れた弟のロク。そんな兄弟ふたりの目の前に、ある日突然、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が現れる。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく——。

 『しあわせのパン』ではそれまでのイメージと異なる寡黙で優しい夫役を演じた大泉洋が、今回は一途に理想のワインづくりに励む不器用な男アオを演じ、新たな魅力をみせています。そんな兄を優しい眼差しでみつめつつ、その陰に複雑な感情をあわせ持つ弟のロクを若手実力派の染谷将太がナチュラルに繊細に演じ、独特の透明感と内に秘めた強さを感じさせるヒロインのエリカを、今回がミュージシャンとしてデビュー後初の本格的演技挑戦となる人気シンガーソングライターの安藤裕子が演じます。他にも、田口トモロヲ、前野朋哉、りりィ、きたろう、大杉漣、江波杏子などの個性的な俳優たちが脇を固めます。

予告編では、広い空の下どこまでも続く葡萄畑を背景に、なかなか理想のワインができずに落ち込む兄のアオ、そんな兄を優しくみつめながら小麦を育てる弟のロク、そんな兄弟のもとにある日突然キャンピングカーに乗って現れる女性エリカの3人が登場。不審がるアオをよそに、そこでおいしい料理をふるまい、誰よりも楽しそうにワインを飲む自由奔放なエリカ彼女。やがて3人がそれぞれに抱える悩みや想いをぶつけあいながらも、少しずつ心の距離を縮めていく姿が描かれています。また、近年は日本を代表するワインの産地として注目を浴びる空知地方の四季折々の美しさ、そして、北海道の土地で大切に育まれたワインと色どりどりの美味しそうな料理たちも、この映画の大事な主役として作品の世界観を彩り、観ているだけでお腹がすいてしまいそうな予告となっています。なお、本予告のナレーションはエリカ役の安藤裕子がつとめています。

 映画のタイトルにもなっている“ぶどうのなみだ”とは、厳しい冬を乗り越えて春を迎えた葡萄の木が、雪解け水をいっぱい吸い上げて、小さな枝から落とすひとしずくのこと。この本物の“ぶどうのなみだ”を映像でとらえるために、三島監督と撮影スタッフらは現地の専門家のアドバイスを受けながら様々な撮影方法を編み出し、試行錯誤の末、ついにタイミング、大きさ、形、つや全てにおいて最高のショットを撮影することに成功したといいます。その映像は、予告の一番最後に出てくる映画タイトルの背景で使われているのでお見逃しなく!

『ぶどうのなみだ』は10月4日より北海道先行公開、10月11日より全国公開です。

予告編::http://youtu.be/6s0TMxdAoss

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執筆者

Yasuhiro Togawa