『ブリキの太鼓』のドイツの名匠シュレンドルフ、
13年ぶりの日本公開決定!

第62回ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品作
第14回ルション国際映画祭最優秀監督賞
第25回ベアリッツ国際映像祭最優秀男優賞

10月 シアター・イメージフォーラム他全国順次公開

1979年、ギュンター・グラス原作の『ブリキの太鼓』を発表、ドイツ人監督として初のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、同時にアカデミー外国語映画賞にも輝いたドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフの新作『シャトーブリアンからの手紙』がこの秋、日本で公開される。
シュレンドルフ監督の劇場公開作は、オムニバス作品を除くと長編映画では、ジョン・マルコビッチ主演の『魔王』が2001年に公開されて以来、なんと13年ぶりとなる。
フォルカー・ シュレンドルフは、現在75歳。

この数年は第二次世界大戦下の史実にこだわり、制作活動も旺盛。昨年、岩波ホールで公開され記録的な大ヒットとなった『ハンナ・アーレント』の監督、マルガレーテ・フォン・トロッタが妻であることは知られているが、夫婦ともにドイツ史を見つめ続け、ドイツ映画界を今も牽引している大巨匠だ。

『シャトーブリアンからの手紙』は、1941年、ナチ占領下のフランスで、1人のドイツ将校が暗殺され、その報復として、ヒトラーが収容所にいるフランス人150名の死を要求したという実際の事件の映画化である。

タイトルのシャトーブリアンとは、フランス西部にある郡の名前で、シャトーブリアン郡の収容所から多くの人質が選ばれたのだ。
ドイツによって多くの罪なきフランス市民の命が奪われた実話、いわばドイツの過去の罪といえる史実を独仏合作で完成させたシュレンドルフ監督。
フランスを第2の母国とし、「ドイツもフランスも我が母国、両国の和解なくしてヨーロッパはない」というドイツの名匠の思いが込められた『シャトーブリアンからの手紙』。
シュレンドルフ監督13年ぶりの公開が今から待ち遠しい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa