美しい京都の街並みのなかで繰り広げられる強烈なハードボイルドの世界。

京都の歓楽街・木屋町を舞台に、体に十字架を背負った男の哀しい物語『木屋町 DARUMA』。
原作は、時代のタブーに挑戦し続ける作家・丸野裕行の同名小説。2012年にApp Storeでアプリとして解禁されたが、それまで出版禁止の問題小説として、某大手出版社、裏社会系雑誌、自費出版大手など複数の出版社から、「危険すぎる内容!」 「過激すぎて出せない!」 「出版の可能性はゼロ」と刊行を断られ続けた発禁小説だ。本作の脚本も丸野が担当している。

監督には、俳優として映画やテレビなど幅広く活動し続けながらも、様々な視点から人間ドラマを世に送り出している榊英雄。現在、全国順次公開中の『捨てがたき人々』では、難題に挑み、人間の欲・業を抉るようにリアルに描いた作品として評価を高く得ている。
主演は、映画、ドラマ、CM など幅広く活躍中の遠藤憲一。ある時は男らしく強面な役、またある時は心優しい父性愛をもつ役など、観る側に強烈な印象を残し続けている彼が、体躯にハンディキャップを負い、哀しみを背負ってしまった男を鬼気として演じている。

また、主人公の手足となって支える男の役に、三浦誠己。個性派俳優としてますます活躍が期待されている彼が迫真の演技をみせる。さらに、多額の借金を抱え、金貸しから陰湿な取り立てで追い込まれていく男を寺島進が熱演、主人公の弟分で、ストーリーのキーマンとなる男の役に木村祐一が扮している。
なかでも、頭突きで瓦を見事に割る CM で今や話題持ちきりとなっている清純派若手アクション女優の武田梨奈が、本作ではアクションを封印。多額の借金を背負った父のせいで、身を狂わされ落ちていく汚れ役を堂々と演じている。

ほか、烏丸せつこ、木下ほうか、福本清三、片桐竜次、また若手俳優の尾高杏奈、趙?和等、多数出演。
撮影は 2013 年に、京都木屋町でオールロケが行われた。2015 年公開予定。

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執筆者

Yasuhiro Togawa