第64回カンヌ国際映画祭のある視点部門に正式出品され、第84回米アカデミー賞、外国語映画賞のシンガポール代表に選出されるなど世界的な評価を受け、話題となった映画『TATSUMI』(原題)の日本公開が11月と決定し邦題も『TATSUMI マンガに革命を起こした男』となりました。

タイトル:『TATSUMI マンガに革命を起こした男』
公開表記:11月角川シネマ新宿ほか全国順次公開

感動も、哀しみも、屈辱も、全て彼がマンガに持ってきた。“劇画”を生み出した、辰巳ヨシヒロの半生。
世界が認め、手塚治虫が嫉妬した「劇画」の世界。日本人が知らない劇画ゴッド・ファーザー辰巳ヨシヒロの歩んできた道のりとその時代背景が半自伝的作品「劇画漂流」を基にスクリーンで明かされる。
 すべてを失った日本が焼け跡の中から、生み出した「マンガ」。戦後の日本に活力を与えただけでなく、今や、世界中に広がり、カルチャーの一大潮流となった。ところが我々日本人は、この分野で世界から絶賛、注目されるクリエイターの名前を知らない。彼の名は、辰巳ヨシヒロ。
 元々は子供のものであった「マンガ」を、大人の読み物に昇華させ、“マンガの神様”手塚治虫を嫉妬させた「劇画」の名付け親である辰巳の功績は、アメリカ・フランスといったマンガ文化の先進国において極めて高い評価をうけ、マンガにおけるカンヌとも言われる「アングレーム国際漫画祭」で特別賞を受賞するなど、その地位を確立。まさに邦題サブタイトル“マンガに革命を起こした男”として日本でも再評価の機運が高まっている。
 本作は2009年手塚治虫文化賞大賞を受賞した「劇画漂流」を基に、大人が楽しめるエンターテイメントの可能性を追求し続け、葛藤と苦悩を繰り返した辰巳ヨシヒロの半生を、カンヌ国際映画祭の常連シンガポールの映像クリエイター、エリック・クーが監督し、辰巳の代表的な劇画作品を映像として動かすことに成功した今までみたことのないドキュメンタリーアニメーション作品である。

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執筆者

Yasuhiro Togawa