「ちいさなひとのえいががっこう」は子どものための映画学校を作るべく立ち上げられた、ボランティアによるサークルです。これまで「おはなしくらべ」などの子ども映画会を過去に54回、また「映画館遠足」を6回企画して実施してきました。
http://yaplog.jp/eigagakkou/

ちいさなひとのえいががっこうでは映画を通して、その国の文化や社会を知る「映画で世界一周!」シリーズを2013年度より始めました。
2年目に入り、8カ国目となる今回はスウェーデンを取り上げます。
バルト海に面する北欧のスウェーデンは、ABBAやカーディガンズなどの音楽や、映画分野でもイングマール・ベルイマン監督、グレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマンなどの女優は日本でもよく知られています。また、ノーベル賞は世界でもっとも有名な賞といえるでしょう。
夏休みの特別企画として、世界的な児童文学作家アストリッド・リンドグレーン原作の映画を中心に、3日間にわたる上映会を開催します。映画を通して、スウェーデンについて学んでみましょう。
上映会では、映画鑑賞とあわせて、スウェーデン大使館のアダム・ベイェさんを特別講師にお迎えして、スウェーデンの日常や芸術文化についてお話をしていただきます。

世界一強い女の子ピッピの活躍が痛快な「長くつしたのピッピ」シリーズ4作品の一挙上映や、この機会でしか観ることのできない、ビデオ化されていない貴重な作品や、劇場未公開作品も上映されます。また、この夏には「私たちの島で」を原作とする『なまいきチョルベンと水夫さん』が日本でも劇場公開されますが、その続編にあたる『小さなスクローラン』も特別上映します。

子どもたちにとっては、リンドグレーンの世界に映画を通して触れることで、原作本にも興味を持ってもらい、映画と本を比べることによって違った楽しみを味わい、夏休みの読書感想文に楽しみながら取りかかる、ひとつのきっかけとなることを期待しています。期間中には、自由研究にも役立つ視覚おもちゃ(絵が動いて見える仕組みを知るおもちゃ)の簡単な工作体験ワークショップも開催します。

子どもたちはもちろん、親にとっても楽しめるプログラムとなっています。
入場は無料。
ぜひ、この上映会を広く知っていただくために、みなさまのご協力を賜りたく、お願い申し上げます。
詳細については、担当の岡崎( eigagakkou@hotmail.co.jp )までお問い合わせください。

■開催概要
主催:ちいさなひとのえいががっこう
後援:杉並区教育委員会
協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
日時: 2014年7月19日(土)10:30〜19:00
         20日(日)および21日(月・祝)10:30〜15:30 *入退場自由
会場:杉並区立中央図書館 視聴覚ホール (杉並区荻窪3-40-23)
    →JR中央線、地下鉄丸ノ内線「荻窪」駅南口から徒歩10分
   地図→https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/facilities/chuou.html
料金:無料
定員:50名(先着順)
ブログ:http://yaplog.jp/eigagakkou/
お問い合わせ:ちいさなひとのえいががっこう(担当:岡崎)
   e-mail: eigagakkou@hotmail.co.jp
  *大人だけの参加(見学、取材など)をご希望の際はあらかじめご連絡ください。

■上映スケジュール
◎7月19日(土) 10:30 『ピッピの新しい冒険』 13:00 『長くつ下のピッピ』 14:30 工作ワークショップ(1)(60分) 15:30 『ピッピ船にのる』 17:30 『ピッピの宝島』
◎7月20日(日) 10:30 『いたずら天使ミッシェル』 13:00 『小さなスクローラン』 14:30 工作ワークショップ(2)(60分)
◎7月21日(月・祝)
 10:30 『小さなスクローラン』 13:00 『小さなバイキングビッケ』 14:30 トークイベント、特別講師アダム・ベイェさん(60分)

■上映作品の解説
*( )内の推奨年齢は目安です。ちいさなお子さまもご覧になれます。

『小さなスクローラン』
(1965年/94分/16mmフィルム/日本語吹き替え/6歳から)
20人が暮らす小さなウミガラス島。この島のメルケルさんのお家には、4人の子どもたちがいます。長女のマーリンに生まれた小さなスクローランは、見るもの触るもの全てに興味津々で、少しでも目を離すといろいろなところに歩いていっては、めちゃめちゃにしてしまいます。家族はみんなスクローランに振り回されっぱなし。ある日、スクローランのお父さんツェッペルが、急病で街の病院に入院することになり、マーリンも付き添いで行くことになりました。留守番のメルケルさんは「任せろ」と張り切りますが、案の定、スクローランがいなくなってしまい、大パニック!

小さな島の美しい自然を背景に、のびのびと遊ぶ子どもたちや愛らしい動物が登場し、無邪気なスクローランの一挙一動に振り回されるドタバタコメディ。『なまいきチョルベンと水夫さん』に続く「わたしたちの島で」シリーズ2作目。

監督:オッレ・ヘルボム
出演:トシュテン・リリエクローナ、ルイーズ・エドリンド
★劇場未公開、☆ビデオ未発売

『いたずら天使ミッシェル』
(1971年/80分/16mmフィルム/日本語吹き替え/6歳から)
わんぱく少年ミッシェルはいつもいたずらをしては、みんなを困らせています。遠くの景色を見たいとねだった妹を旗ざおに吊り上げたり、パーティーでは花火を爆発させたり、大事な鍋を頭にかぶってしまって抜けなくなったり…。クリスマスが近づいた季節、お隣のアルフレッドが指を傷つけてしまい、敗血症でひどく苦しみだしました。外はものすごい吹雪で、街の病院へ連れていくこともできません。このままでは大好きなアルフレッドが死んでしまう、とミッシェルはひとりでソリをひいていくことを決心しました。

いつもはわんぱくで困り者のミッシェルが、大事な場面で優しさと勇気を見せるラストが感動的です。ミッシェルを大らかに見守るお父さんやお母さん、まわりの大人たちの視線も印象的な作品です。リンドグレーン自身が、原作だけでなく映画の脚本も担当しています。

監督:オッレ・ヘルボム/脚本:アストリッド・リンドグレーン/撮影:ロルフ・リンドストレーム/音楽:ゲオルク・リーデル
出演:ヤン・オールソン、レナ・ウィスボルグ
★劇場未公開、☆ビデオ未発売

『長くつ下のピッピ』 *シリーズ第1作
(1970年/82分/16mmフィルム/日本語吹き替え/4歳から)
赤いおさげにソバカスだらけ、長くつしたのピッピは世界で一番強い女の子。海賊のお父さんが残してくれたたくさんの金貨をカバンにつめて、がらくた荘に引っ越してきました。力持ちのピッピは、金貨を狙ってやってきた泥棒二人組を投げ飛ばしたり、馬を持ち上げたりと元気いっぱいです。おとなりのトミーとアニカは、気球に乗ったりイカダに乗ったりのピッピとの冒険に夢中になり、すぐに仲良しになりました。

『ピッピの新しい冒険』 *シリーズ第2作
(1970年/88分/16mmフィルム/日本語吹き替え/4歳から)
お母さんに叱られたトミーとアニカは家出することを決心。お母さんに頼まれて、ピッピと馬のおじさんも二人についていくことになりました。雨宿りをした家で出会った行商人のコンラッドさんからもらった特別なノリはすばらしい接着力です。靴の裏に塗ると、壁でも天井でも歩けてしまいます。道の途中で樽を見つけたピッピは、中に入って川下りをします。そのままどんどん流されて二人とはぐれてしまいましたが…。

『ピッピ船にのる』 *シリーズ第3作
(1970年/84分/16mmフィルム/日本語吹き替え/4歳-)
ある日、ピッピたちは湖に沈んでいるボートを見つけました。がらくた荘に持って帰って、あっという間に直してしまった3人は船に乗り込み出発! クリスマスのお休みが近づいてはしゃぐトミーとアニカを見て、ピッピは「わたしもみんなと同じようにお祝いしたい」と言い出しました。そのためには、ピッピも学校に行かなければなりません。教室にやってきたピッピのおてんばぶりに、先生もみんなも大騒ぎ。

『ピッピの宝島』 *シリーズ第4作
(1970年/93分/16mmフィルム/日本語吹き替え/4歳-)
海辺でピッピが拾った空きビンの中にはお父さんからのお手紙が入っていました。「海賊につかまって塔の中に閉じ込められた。助け出してくれ!」 さぁ、大変。ピッピはトミーとアニカと一緒に気球に乗り込み、海賊の島へと向かいました。途中、火山を飛び越えたり、ぽんこつの飛行機に自転車を取り付けて飛び上がったりしながら、ようやく島へ。大砲の中に隠れて砦の中に入ったピッピと海賊たちの戦いが始まります!

世界中の子どもたちに愛されているピッピの映画シリーズです。ともすれば、おとなが‘あぶないから’‘お行儀が悪いから’‘よごれるから’などの理由で「やってはいけません」と禁じていることをすべてピッピは平然とやってのけます。そんなピッピと繰り広げる冒険に子どもたちが心を躍らせて夢中になるのでしょう。ピッピの吹替えの声を岸田今日子さんが演じています。

監督:オッレ・ヘルボム/脚本:イドレント・イドーム/撮影:カール・バーグヘルム/音楽:ゲオルグ・ピーデル
出演:インゲル・ニルセン、パー・サンドバーグ、マリア・パッセン

『小さなバイキングビッケ』
(1974年/75分/16mmフィルム/日本語吹き替え/4歳から)
フラーケ族というバイキングの族長・ハルバルの一人息子であるビッケは気が小さく、暴力嫌いな性格だった。ビッケが知恵をいかして大活躍する冒険物語。

ドイツと日本の国際共同製作アニメとして、1972年から74年にかけて全78話がテレビ放送されました。今回は、その中から3話を上映します。

声の出演:ビッケ:栗葉子 チッチ:松金よね子 ハルバル:富田耕生 スノーレ:滝口順平 ゴルム:八代駿 チューレ:里見たかし ウローブ:北村弘一 ウルメ:和久井節緒 ファクセ:西尾徳 イルバ:中西妙子 ナレーター:増山江威子
原作:ルーネル=ヨンソン チーフディレクター:斉藤博 脚本:才賀明 演出:石黒昇 シリーズ構成:丹野雄二 設定制作:岡崎邦彦 キャラクターデザイン:関修一 作画監督:辻伸一、福田皖 美術監督:西田稔 制作主任:藤田健、佐藤洋 音響監督:斉藤敏夫 録音:山下欽也 効果:赤塚不二男 音楽:宇野誠一郎 作画:吉橋節、古佐小喜重、鈴木よし子 仕上:福永雅子、木戸佳子、八嶌素美 企画制作:ズイヨー映像 主題歌:「ビッケは小さなバイキング」 唄:栗葉子、ザ・バイキング

■スウェーデンについて勉強しよう!
スウェーデンって、どんな国?
スウェーデン語であいさつ…スウェーデン語で「こんにちは」「ありがとう」は、どう言うの?簡単なあいさつを覚えて使ってみましょう!
その他、スウェーデンという国について、映画を通して楽しく勉強してみましょう!

★★ アダム・ベイェ(Adam Beije) プロフィール ★★
スウェーデン大使館 広報・文化担当官。
1978年、ストックホルム生まれ。
ストックホルム大学にて韓国語、日本語を学習(2008年、日本語学科修士号取得)。
2007年、スウェーデン初の日本語教科書を執筆(イラストも担当)。
2006〜2008年、名古屋大学に研究留学。

■「ちいさなひとのえいががっこう」とは…?
 「映画を勉強しよう!」をコンセプトに、子どもも親も一緒になって映画を楽しめる場を作りたい、とボランティアの有志が集まって活動を始めたサークルです。これまでに「こどもえいがかい」を54回開催してきました。
活動を開始してから8年が経ちました。これからもいろいろな映画上映会で映画を楽しんだり、近くの映画館へ遠足に行ったり、映画の作り方の秘密を知るためのワークショップを企画しようと考えています。
ただいま「ちいさなひとのえいががっこう」では、一緒に活動をしてくれるボランティア・スタッフ(年齢・職業関係なし!)と、一緒に映画を楽しんで観てくれる生徒を募集しています。ブログはhttp://yaplog.jp/eigagakkou/
詳しくは、eigagakkou@hotmail.co.jp (岡崎)までお問い合わせください。

執筆者

Yasuhiro Togawa