この度、製作:KADOKAWA、アスミック・エース他により、映画『エヴェレスト 神々の山嶺(かみがみのいただき)』の製作が決定いたしました。

 『エヴェレスト 神々の山嶺』は、第11回(平成10年度)柴田錬三郎賞を受賞した、夢枕獏による小説「神々の山嶺」の映画化。谷口ジロー作画による漫画版も刊行され、01年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。小説・漫画「神々の山嶺」は、中国や韓国はもとより、英語版・欧州各国語版も出版され、現在までに全世界で100万部を突破するベストセラーとなっております。

 ヒマラヤ山脈を望むネパールの首都・カトマンズの裏街で、古い“カメラ”を発見した日本人カメラマン、深町誠。そのカメラは、ジョージ・マロリーが1942年6月8日にエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。そのカメラの過去を追って出会った一人の男、羽生丈二。彼は「天才クライマー」と呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないやり方のために、常に孤立した伝説のアルピニストだった。深町は羽生の過去を調べるうちに、その生きざまに飲み込まれていく・・・。

 世界最高峰の山に魅せられた2人の男の交錯する人生を軸に、厳しい山嶺に命を賭けて挑む姿と、彼らを取り巻く人々の想いを壮大なスケールで描いた、感動の超大作。そのスケールの大きさから、未だに映画化が実現していなかった本作が、遂に映像化されます!
 監督には、モントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞、日本アカデミー賞最優秀監督賞など数多くの賞を受賞した『愛を乞うひと』(98)を始めとする数多くの名作・話題作を世に送り出し、2011年『太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男−』以来、久々の劇場映画監督作品となる平山秀幸。

すでにロケハンなどは始まっており、2015年春にネパール他にて撮影を予定。2016年に全国ロードショーとなります。

 【原作者:夢枕獏 コメント】
なんということであろうか。この物語が、現実に映画化される日が来ようとは。
現実にヒマラヤの高所まで、カメラを持ち込み、俳優も監督、スタッフも、全員が行くことなしには考えられない映画である。それが実現するのである。
ここまで待ってよかった。凄い映画になると思う。
 
 【原作者:夢枕獏 プロフィール】

1951年神奈川県生まれ、東海大学文学部卒業。82年「キマイラ」シリーズで若い読者の支持を受ける。84年「魔獣狩り」がベストセラーとなる。
89年「上弦の月を喰べる獅子」で第10回日本SF大賞、98年「神々の山嶺」で第11回柴田錬三郎賞、2011年「大江戸釣客伝」で第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、12年には第46回吉川英治文学賞を受賞する。著書に「陰陽師シリーズ」、「黒塚 KUROZUKA」など多数。
本著は小説すばるにて1994年から97年まで連載された。

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執筆者

Yasuhiro Togawa