7/12(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となる映画『南風(なんぷう)』。
本作は、今年話題作への出演が続く黒川芽以を主演に、東京で働く雑誌編集者の風間藍子が、台北から台湾中部の日月潭までの道のりで様々な人と出会い、自転車で取材をする中で自分を見つめ直していくという物語。
撮影では、ノスタルジックな街並みが人気の「九份(キューフン)」、台湾のベニス「淡水(タンシュエ)」、台湾三大観光地のひとつで風光明媚な景色が楽しめる湖「日月潭(リーユエタン)」など、500kmに渡る台湾サイクリングロケを敢行。
台湾が最も美しいといわれる7月に撮影された、爽やかなサイクリング・ロードムービーとなった。

主演の黒川芽以は、公開中の『ぼくたちの家族』(石井裕也監督)でも重要な役どころで出演。今年度だけでも8本の映画に出演する。
そのうち主演作品は、『南風』のほかに、8月公開の『ドライブイン蒲生』(たむらまさき監督)など5作となっている。
長年、実力派俳優を主演に迎えてきた萩生田宏治監督も絶賛する、高い演技力を持った黒川芽以。萩生田監督と話し合いながら作り上げていった、主人公藍子の演技力に注目である!!

黒川芽以の卓越した演技力は、一体いつから!?

27歳ながら、既に芸歴21年である黒川芽以は、演技の幅の広さと、複雑なキャラクターも演じ分ける高い技術力で定評がある。
6歳でCMデビューを果たしてから、NHKテレビドラマ『鏡は眠らない』(97年)への出演を皮切りに、ドラマ・映画など立て続けに出演。
主演作の『問題のない私たち』(04年)では、沢尻エリカ、美波と共演。あるいじめグループのリーダーから、一転、いじめられる側になってしまうという難しい役どころを好演し話題になった。また、代表作の一つであり、宮?あおい、堀北真希など日本映画界を代表する演技派の女優が歴代主演を務めたドラマシリーズ『ケータイ刑事 銭形泪』では、主人公の泪(るい)役を熱演。
当初、主人公の名前は泪ではなかったものの、泣きの演技力が高いことから役名も変更になったという逸話まである。

他にもケラリーノ・サンドロヴィッチ監督『グミ・チョコレート・パイン』(07年)、三浦大輔監督『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(10年)、他にも石井克人監督、深作健太監督、沖田修一監督、矢崎仁司監督、深川栄洋監督、石井裕也監督など、日本映画界を支える監督たちの作品に立て続けに出演。萩生田監督も、『南風』での撮影を振り返り「厳しい現場だったが、多少無理を言っても必ずかたちにしてくれた。
数ミリ単位で感情や演技をコントロールできる、職人のような素晴らしい役者」と絶賛している。
本作でも、主人公藍子の揺れ動く心の動きが見事に表現されている。

2014年の日本映画は、黒川芽以抜きには語れない!!

2014年の日本映画界は、黒川芽以抜きには語ることができないほど、主演・出演作が目白押しだ。
2014年に公開される出演映画だけでも8作品。うち5本が主演作という驚異的な活躍ぶりだ。
マスコミ試写会に来場した記者や、映画ライターからも「作品によって全く違った顔を見せてくれる、素晴らしい女優」と絶賛されている。

また、役に入る前の下調べや事前準備にも力を入れており、今回も監督とは藍子という役についても話し込んだ。
当初藍子の設定は29歳だったが『30歳手前でなくても、女性として迷ったり悩んだりする気持ちはある』という意見を聞いた監督は、撮影時の彼女の実年齢である26歳に設定変更。等身大の藍子を見事に演じている。『南風』公開の翌8月に公開される『ドライブイン蒲生』では、本作とは全く異なる“不良少女”を金髪で眉毛も細く剃り演じている。また、来年には、上川隆也主演の人気舞台『真田十勇士』への出演も決まっており、「劇団☆新感線」の座付き作家・中島かずきの脚本と、宮田慶子の演出で忍び役を演じる。映画・舞台と活躍の場を広げていく黒川芽以。
今後も、新しい顔を見せ続けてくれる彼女に期待したい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa