★オーストラリアを描いた、史上最高の、史上最も恐ろしい映画。−ニック・ケイヴ
★凄まじいほどに不快な映画だ。1971年のカンヌ映画祭で観たとき、私は言葉を失った。視覚、物語、空気感、そして精神的にも素晴らしく構築されており、観る度に皮膚の裏側に衝撃が走る。−マーティン・スコセッシ
★パワフル、本当にショッキング。でも凄い。−ロジャー・エバート(CHICAGO SUN TIMES)

この度、今まで一度も日本に紹介されてこなかった世界の驚愕の映画を上映する
≪初公開!世界のどす黒い危険な闇映画≫の第一弾として、『荒野の千鳥足』を新宿シネマカリテにてレイトショー公開する運びとなりました。
本作はあの『ランボー』のテッド・コッチェフが監督し、主演を『ハロウィン』のドナルド・プレザンスがつとめ、オーストラリアの灼熱の砂漠地帯に潜むビールと博打、狩猟の魔力による高揚で破滅へ向かう男の姿を描いた、とんでもない映画です。

71年のカンヌ映画祭に、やはりオーストラリアを舞台にした『美しき冒険旅行』とともに出品され、その後欧州、北米、豪州などで立て続けに公開されながらも、以後長年にわたりネガプリントが行方不明となって一切観ることのできなかった超まぼろしの映画です。
2004年に米国ピッツバーグにて遂に良好なプリントが発見され、HDにてレストアされたものがマーティン・スコセッシの推薦により2009年のカンヌ映画祭で上映されました。
70年代にはペキンパー『わらの犬』(71)やブアマン『脱出』(72)など凄絶なバイオレンス描写と後味の悪さで観る者に衝撃を与えたパワフルな映画が数多く存在しましたが、本作『荒野の千鳥足』はまったくもってその系譜に属する作品。
ビールのあまりもの旨さに屈する男の悲惨さは、まさに“ビール・インフェルノ”とでも云うべき惨状をスクリーンに焼き付け、もはや言葉も出ない大変なこととなります。

欧米ではリバイバル公開が大きな話題となり、特にアメリカでは「世界最高の映画館」とも言われるALAMO DRAFT HOUSEの配給によって公開、圧倒的な支持を集めました。
この度はそんな、日本ではなぜか一度も輸入されることなく終わっていた衝撃作を映画館で上映いたします。
ちなみに本作はビールを飲みながらの鑑賞とシラフ状態での鑑賞ではかなり面白味が変わるでしょう。
また本作には一切のコメディ要素はございません。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52688

執筆者

Yasuhiro Togawa