1995年に公開され、石井隆監督作品の中でも絶大な人気を誇り、バイオレンスアクションの傑作として国内のみならず海外での評価も未だに高く、ファンの間から長きにわたり続編の制作を希望する声が絶えない映画『GONIN』。19年の時を経て、遂にあの『GONIN』の新たな物語が再び幕を開けます。

    本作のメガホンをとるのは前作『GONIN』(95)をはじめ、『死んでもいい』(92)『ヌードの夜』(93)、近年では『甘い鞭』(13)など独自の世界観で国内のみならず海外でも多くの映画ファンを惹きつける日本映画界傑出の鬼才・石井隆(いしいたかし)。本作でも脚本・監督を務め、前作『GONIN』から繋がる壮大な物語を並々ならぬ想いで描き、自らの集大成と位置付ける渾身の最新作です。
     そして本作の主演は、『桐島、部活やめるってよ』(12)で鮮烈なデビューを飾り、数々の新人賞を受賞、今後も主演作の目白押しの若き逸材東出昌大(ひがしでまさひろ)。前作のGONINに襲撃を受け、命を落とした大越組若頭・久松(鶴見辰吾)の息子・勇人を演じます。そして同じく前作で命を落とした久松の組長・大越(永島敏行)の息子・大輔には桐谷健太(きりたにけんた)。さらに前作の大越組を束ねる五誠会2代目に出生の秘密を握られ、愛人になり下がってしまった元グラビアアイドル・麻美に土屋アンナ(つちやあんな)。19年前のGONIN事件の真相を追うルポライターとして、自らも19年前の事件に深い因縁を持つ・森澤に柄本 佑(えもとたすく)。そして、今回のGONINの敵役となる、前作の五誠会会長・式根(室田日出男)の孫であり、麻美を愛人として囲う、五誠会三代目・誠司に安藤政信(あんどうまさのぶ)。前作を上回る豪華実力派のキャストが集い、『GONIN』に対する各々の熱い想いとともに、物語を盛り上げます。
     本作は6月1日に横浜にてクランクイン、6月末日にクランクアップ、2015年に全国公開を予定しております。今回のGONIN最後の一人はまだシークレットですが、ファンがあっと驚くキャスティングを予定しております。前作で死闘を繰り広げた男たちが遺したそれぞれの家族–血と宿命に彩られた新たな物語に是非ご注目ください。
    
■監督・脚本:石井 隆
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男たちの死に様を描いた『GONIN』と女たちの生き様を描いた『GONIN2』を撮り終えた後、僕は『香港版GONIN』、『上海版GONIN』、『少女版GONIN』、などなど、何本ものヴァイオレンス・アクションのシナリオを書き下ろした。しかし、世の趨勢。それらは実現することもなく、それでもある時、あの時(第一作)の『GONIN』の垂直に立ち上がったフレームの外にいたであろう描かなかった人たちの存在が不意にどうしても気になり、あの映画の中で並行して生きていた筈の死んだ男達の家族の物語を一気に書いた。気が付くと最初の『GONIN』から既に10年が経っていた。しかし、それも実現叶わず、それでも残された“家族たち”が気になって、その都度、イメージキャストに当ててシナリオを書く僕は、あれから13年、あれから15年、あれから18年、何度も何度も“家族たち”の違う物語を書き続け、そして、あれから19年。今、僕は『GONINサーガ』の現場にいる。素晴しい俳優陣、素晴しいスタッフと一緒に。唯一にして最大の危惧は、監督が果たして僕で大丈夫なのか! 御託は言わずに、完成まで不眠不休で走……れる……かな?

■主演: 久松勇人(ひさまつはやと)役:東出昌大
大越組若頭、久松茂の息子。19年前の事件後、 五誠会に父が破門されるが、ヤクザの父に似ず、優しい心音の青年に育つ。ある事件をきっかけに、五誠会に復讐を誓う。

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GONINと言う作品に出させて頂くに当たり、多くの方から想いの込められた襷(たすき)を受け取りました。
この襷は諸先輩方の意地や覚悟、情熱の上に紡がれてきた襷です。持てる全てを出し切り挑みます。
冷静に、丁寧に、時に猛々しく、クランクアップまで突き進みたいと思います。

■大越大輔(おおごしだいすけ)役:桐谷健太
大越組組長大越の息子。19年前の事件で、父を失い、今は五誠会三代目・ジュニアの用心棒をしている。
勇人とは幼馴染で秘かに大越組の再興を狙っている。

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前作『GONIN』を最初に見たのが自分が20前後のころでした。ものすごくパンチの利いた映画で、あっという間の2時間だったことを今でも覚えています。今回の作品は前作の登場人物の次の世代が、新たなGONINとして、自分でも気付かないうちに「血」や「運命」を受け継いでしまっていて、自分も大輔という役を演じるにあたり、その葛藤を掘り下げながら、性格も気持ちも大輔になりきるしかないと思っています。石井監督の『GONIN』に対する思いの強さや、妥協しない姿勢の中で自分がどう戦っていけるか、今から楽しみです。東出さんをはじめ、自分とは違ったタイプの役者さんばかりなので、皆の良いところを吸収しながら、自分でやれることをやり尽くし、作品に良い化学反応が生まれればと思います。

■菊池麻美(きくちあさみ)役:土屋アンナ
五誠会の2代目に秘密を握られて強請られ、今は3代目の愛人に成り下がっている、元グラビアアイドル。出生に秘密を持っている。

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GONINという作品を観て、正直色々な感情が産まれました。
観ていて、石井監督という人の魅力に、もっと触れたいと思いました。監督の中に存在する感性は天才的で、多くの人を魅了しているのだとわかりました。強さ、悲しさ、美しさ。言葉で言い表せないこの人間の感情、魂の叫びをこの映画では感じることが出来て嬉しく思います。
どれだけ自然か…が、私の今回のテーマです。監督の世界観にハマる様に楽しんで頑張りたいと思います。そして、多くの人を感動させられる作品に皆で作り上げられたらいいなと、思っています。

■森澤慶一(もりさわけいいち)役:柄本佑
19年前の事件を追うルポライターとしてあらわれるが、本当の姿は謎に包まれている。19年前の事件に深い因縁があるようだが・・・

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初めて石井組を体験してから2年。また石井組を体験出来るとは・・・それもあのGONINの続編で・・・考えただけでもゾッとします。
しかし、ゾッと思える現場ってきっと楽しいんじゃないかと思います。2度目ということで、前回よりもなにやら緊張してますがとにかく真面目に頑張ります。

■式根誠司(しきねせいじ)役:安藤政信
五誠会3代目で、芸能事務所社長。麻美を愛人として囲っている。乗っ取ったバーズの跡地に高層ビル建設を計画し、その記念パーティーで自らの結婚披露のダンスパーティーを盛大に計画しているが・・

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昔から石井監督の作品の大ファンで、作品の中に漂う美意識や、その中にある生々しい感じが当時から衝撃で、一度は作品をご一緒したいと思ってました。その中でも『GONIN』は特別印象深く、あの当時、本当に綺麗でかっこいいと思えた作品だったので、この『GONIN サーガ』を今の石井監督がどう撮るのか今から楽しみです。
僕が演じる誠司という役柄は、20年前に自分が実際見た作品の登場人物の孫になるのですが、あまりいろんなことを考えすぎず、監督の考える作品の世界観の中で、愛される一人のキャラクターになればいいなと思っています。

前作『GONIN』で死闘を繰り広げた男たちが遺したそれぞれの家族–
血と宿命に抗うため、新たな物語が幕を開ける。

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執筆者

Yasuhiro Togawa