7/12(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となる映画『南風(なんぷう)』。今年話題作への出演が続く黒川芽以を主演に、東京で働く雑誌編集者の藍子が、台北から台湾中部の日月潭までの道のりで様々な人と出会い、自転車で取材をする中で自分を見つめ直していくという物語。撮影では、『千と千尋の神隠し』のモデルとなったと言われる「九份(キューフン)」、台湾のベニス「淡水(タンシュエ)」、台湾三大観光地のひとつで風光明媚な景色が楽しめる湖「日月潭(リーユエタン)」など、500kmに渡る台湾サイクリングロケを敢行。台湾が最も美しいといわれる7月に撮影された、爽やかなサイクリング・ロードムービーとなった。注目すべきは、萩生田監督が行ったオーディションの末、みごと配役された、台湾キャストの2人。主人公、藍子と共に旅をする16歳の台湾人少女・トントン役のテレサ・チー、そして旅の途中で出会う台湾人の青年ユウを演じたコウ・ガだ。既に行われているマスコミ試写会でも「16歳の少女を演じたテレサ・チーの純真さに胸がときめいた!当時24歳だったなんて信じられない」「ユウを演じたコウ・ガの魅力に、あやうく恋をしそうになった!」と絶賛の声も上がっている。

ハリウッドも大注目!?テレサ・チーってどんな女優??

25歳ながら、既に台湾では不動の人気を博している実力派若手女優テレサ・チー。台湾とアメリカのハーフである彼女は、エキゾチックな顔立ちと存在感で数々のドラマ・映画に出演。2007年、ドラマ「危険心霊」では第42回金鐘最優秀助演女優賞を受賞し、一躍台湾の大学生のアイドル的存在となった。
また、デビュー作『九月に降る風』(09年/トム・リン監督)では出演のみならず、ノヴェライズの執筆を任され、映画に収まり切らなかったそれぞれの役柄の内面や世界を、4ヶ月かけて執筆。また、英語、北京語はネイティブレベルに話すことができ、ロシア語、日本語も大学で学んでいるなどマルチな才能の持ち主として注目されてきた。以後も、話題作『台北に舞う雪』(10年/フォ・ジェンチイ監督)など出演作が相次ぎ、今年8月に日本公開の『トランスフォーマー/ロストエイジ』(マイケル・ベイ監督)へも出演。7万人の中から役に大抜擢されハリウッドデビューも果たした。今、世界がその才能に期待する女優のひとりである。
『南風』のオーディションは、『トランスフォーマー/ロストエイジ』オーディション前に行われ、本作では、その才能をいち早く見抜いた萩生田監督も絶賛の、自由奔放で愛らしい16歳の少女トントンを体当たりで演じている。テレサ・チーの呼び名の他に、チー・ペイホイ(紀培慧)、テレサ・デーリーの名前でも活躍している。

知性派イケメン?台湾文化系女子を虜にしている、コウ・ガとは

シンガポール生まれ台湾育ちの24歳。台湾を代表する俳優グイ・ルンメイ、チェン・ボーリンを初主演として起用したことで有名な『藍色夏恋』の監督、イー・ツーイェンに見いだされたコウ・ガ(漢字表記:黄河)。現場に厳しいことで有名な同監督のもと、テレサ・チーと共演した2007年、ドラマ「危険心霊」では第42回金鐘最優秀主演男優賞を受賞。以後、人として、役者として幅を広げたいと俳優業だけでなく学業にも力を注ぎ大学では、プロデューサー・監督・脚本と映像を学ぶ。また英語が堪能で、その語学力を活かし、台湾・スイス合作映画「MISS NICKI」(09年/ハーコン・リウ監督)に出演。今回の『南風』でも、日本語、英語でのセリフも多く、クールで頼りがいのある青年ユウを好演している。最近では、台湾でのドラマや、映画『MY MANDALA』(13年/エルザ・ヤン監督)に主演し、思い切った坊主姿を披露。本作の爽やかな青年とはまた違う顔を見せている。その端正な顔立ちと高い演技力から、台湾では10代〜30代と幅広い層の女性ファンが多い。彼女たちの間では、親しみを込めて“台湾の二宮和也”とも呼ばれているが、顔立ちや映画に対する熱の入れ方は、日本の文化系女子の間でも人気な加瀬亮を彷彿とさせる。大の日本好きでもあるコウ・ガは、今後日本での仕事も視野に活動しており、彼の活躍ぶりを日本で目にするのもそう遠くはないだろう。

世界が注目する、台湾の実力派若手俳優の演技を、ぜひ劇場で確かめてみてはどうだろうか?

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執筆者

Yasuhiro Togawa