脳内フル回転!人気作家が絶賛する話題のミステリー映画とは—

世界各国で大反響を呼び起こした『灼熱の魂』に続き、ただいま公開中の『プリズナーズ』でも話題のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と、『プリズナーズ』で主演を務めたジェイク・ギレンホールが再びタッグを組んだ『複製された男』が7月18日より公開となります。

本作は、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説を映画化したもので、何もかもが自分と瓜ふたつの人物の存在を知ってしまった男の日常が悪夢に変わり、その影響を受けたもうひとりの男自身も自己喪失の危機に見舞われていく—。“もうひとりの自分”というミステリーファンを魅了するモチーフを、かつてない独創性と寓意をこめて探求した衝撃的なミステリー映画となっており、公開に先立ち本作を観た人気の作家先生方から多くの興奮&絶賛の声が寄せられています。

※50音順
▼—我孫子武丸(作家)
「自分にそっくりの人間を発見してしまったがゆえに、ありふれた日常が悪夢に変わる。
——いや、日常が悪夢であることを発見してしまっただけなのかもしれない。」
▼—綾辻行人(作家)
何故に蜘蛛? 何故にブルーベリー? 何故に……?
観終わって残る数々の「何故?」をじっくりと味わおう。手軽で明快な“答え”を欲しがちな近頃の僕たちの精神(こころ)には多分、こういう刺激こそがもっと必要なのである。
▼—有栖川有栖(作家)
不条理な不思議な「問題編」で終わり、「解決編」を観客自身が創らなくてはならない知的で挑発的な映画。伏線を拾っていけば、一度観ただけでミステリーファンなら何とか解けるでしょう。半分ぐらいは。
▼—井上夢人(小説家)
アダムなのか、アンソニーなのか。どっちでもないのか、どっちもなのか—この映画は、観る者の心をジワジワと蝕む。取りかえしのつかない後悔に似た恐怖に、ゆっくりと全身をからめとられてしまう。
▼—冲方丁(作家)
強烈きわまりない不安と欲望の物語を、自由自在に映像表現へ翻訳・意訳する手腕に脱帽。
散りばめられたモチーフのささやきにいつまでも浸っていたくなる。素晴らしい!
▼—貴志祐介(作家)
サスペンスと不条理劇を見事に融合させたサラマーゴ・マジック。映像化する
のは、クローネンバーグを生んだカナダ以外では不可能だったに違いない。
▼—朱川湊人(小説家)
まさしく蜘蛛の糸に絡め取られる気分になる映画である。
しかも半透明の糸は、見るたびに絡まり方が異なり、虚像と実像の境すら曖昧にしてしまう。
こちらの視線に応じて成長変化する、生物のような作品だ。
▼—辻村深月(作家)
万人には薦めない。
——だけど、私は3回観ました。
▼—中山七里(作家)
もう一人の自分——聞いただけで妄想の膨らむこのテーマは、
純文学にもサスペンスにもミステリーにもホラーにも使える。
ところが何とこの映画ではそれら全てを網羅してしまったのだ。
惑え。手に汗握れ。そして驚け。
▼—貫井徳郎(ミステリー作家)
もうひとりの自分がいるなんてありがちな設定だと思うけど、リアルに想像してみたらかなり怖かった!
▼—法月綸太郎(ミステリー作家)
見終わった瞬間に、また繰り返し見たくなる映画。
初回はシュールでホラーな悲劇として、2度目はアイロニカルな艶笑劇として。

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執筆者

Yasuhiro Togawa