このたび、東京都とアーツカウンシル東京およびタレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)の主催、並びにベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)との提携のもと、映画人材育成プロジェクト「タレンツ・トーキョー2014」を「第15回東京フィルメックス」期間中の11月24日〜11月29日に実施する運びとなりました。
このタレンツ・トーキョー2014の実施に際して、以下の3点を新たにお知らせいたします。

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(1)名称が「Talent Campus Tokyo」から「Talents Tokyo」に変更。
(2)参加者(タレンツ)の募集を5月15日より開始。
(3)新たに修了生限定「Next Masters Support Program」が始動。
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     ーーー<概要>ーーー

名 称  タレンツ・トーキョー2014(Talents Tokyo 2014)
期 日  平成26年11月24日(月・祝)から11月29日(土)の間の6日間
     (第15回東京フィルメックス開催期間中)
会 場  有楽町朝日ホールほか
対象者  東アジア・東南アジア地域の映画監督・プロデューサーを目指す方
募集人数 国内外あわせて12〜15名
応募期間 平成26年5月15日(木)から6月15日(日)まで
主 催  東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、
     タレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)
提 携  ベルリン国際映画祭(ベルリナーレ・タレンツ)
協 力  東京ドイツ文化センター(予定)、その他

・新プログラム
 「ネクスト・マスターズ・サポート・プログラム(Next Masters Support Program)」
  タレンツ・トーキョー修了生を対象に、下記2種類の資金援助プログラムを新設し、
  世界的な活動を支援します。
(1)企画開発ファンド:製作前の企画を実現するための支援(上限100万円)
(2)プロモーションファンド:完成間近の作品を後押しする支援(上限50万円)

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◎タレンツ・トーキョー2014 実施目的

 ドイツのベルリン国際映画祭の一環として開催され、人材育成プログラムとして実績のある「ベルリナーレ・タレンツ」(以下「BT」という)。その海外展開におけるアジア版として、BTと連携し、10〜20年後を見据えて都市・東京と映画文化のあり方を求め「次世代の巨匠」を生むプロジェクトを実施します。

映画作家(監督)を志すアジアの若者と、その作家たちの創造活動を実現するアジアの若手プロデューサー(以下「タレンツ」という)約12〜15名を東京に集め、現在活躍するプロによる講義、企画合評会を通じて第一線の人材の講師(エキスパート)の視線に晒されることで、強烈なインスパイアを受ける体験(コア・プログラム)を促すとともに、作品発表の場である「第15回東京フィルメックス」コンペティション作品の上映とQ&A等への参加を通じて、タレンツ同士、タレンツとプロの間でネットワークを築くことを目的とします。

 実施プログラム、エキスパート(講師)については後日、公式サイトで発表予定です。

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1、名称変更
今年度より、「Talent Campus Tokyo」から「タレンツ・トーキョー」に名称変更しました。

2、参加者(タレンツ)募集
5月15日より「タレンツ・トーキョー 2014」のオンラインでの参加者の募集を開始します(6月15日まで)。応募資格、応募方法などの詳細は5月15日に開設します「タレンツ・トーキョー2014」公式サイト内の応募規約(英語版)を御確認ください。原則として公式サイトからの応募のみ受け付けます。

3、「ネクスト・マスターズ・サポート・プログラム/
   Next Masters Support Program(仮)」の新設
過去のTT修了生のみを対象として、製作前の企画の実現のため、また完成に近い作品の後押しを主眼として2種類の資金援助プログラムを新設します。
募集期間は5月15日〜6月30日まで。
?企画開発ファンド(上限100万円)
?プロモーション・ファンド(上限50万円)

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■ ベルリナーレ・タレンツ

 ドイツのベルリン国際映画祭(ベルリナーレベルリン)の一環として開催され、人材育成プログラムとして実績ある「ベルリナーレ・タレンツ」(以下「BT」という)。2003年から始まったベルリナーレ・タレント・キャンパスを前身として、2014年2月の開催時より名称が変更されました。毎年、映画を志す350名の若者をベルリン国際映画祭期間中のベルリンに招いて開かれ、その海外展開として、「タレンツ・インターナショナル」がダーバン、ブエノスアイレス、サラエボ、グアダラハラ、そして今年より新たにレバノンの各都市の映画祭に併せて開かれています。「タレンツ・トーキョー」は、この展開における唯一のアジア版として、BT提携のもと開催されます。

■これまでの実績

 2010年にNext Masters Tokyo(NMT)として1回、2011年より2013年までBT(当時はベルリン・タレント・キャンパス)と提携を結びTalent Campus Tokyo(TCT)として3回、計4回を実施しました。これまでに65名のアジアの優れたタレントたちが参加し、監督のエキスパートではホウ・シャオシェン(2010年)、ジャ・ジャンクー(2011年)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(2012年)、ガリン・ヌグロホ(2013年)といったアジアを代表する名匠から少人数・非公開制という環境の下、直接指導を受けました。

 2013年には、修了生の中からシンガポールのアンソニー・チェン(NMT2010、『ILO ILO』)、ポーンナット・ラッタナウィット(TCT2011、プロデュース作『カラオケ・ガール』)、ハンナ・エスピア(TCT2012、『トランジット』)の3名の長編デビュー作が世界的に知られる国際映画祭に選ばれました。『ILO ILO』はカンヌ映画祭監督週間、『カラオケ・ガール』はロッテルダム映画祭コンペティション、『トランジット』はフィリピンのシネマラヤ映画祭コンペティションにてワールド・プレミア上映され、同年11月には揃って東京フィルメックスのコンペティションで上映されました。A・チェンはカンヌ映画祭カメラ・ドール(最優秀新人監督賞)、台北金馬奨最優秀作品賞を含む4部門および東京フィルメックス観客賞など多数の映画祭で受賞し、H・エスピアはシネマラヤ映画祭で9部門受賞するなどしました。
『ILO ILO』と『トランジット』はそれぞれシンガポール、フィリピンから米アカデミー外国語映画賞の各国代表作品としてエントリーされました。

 また、インドネシアのモーリー・スルヤ(NMT2010)の長編2作目『愛を語るときに、語らないこと』もロッテルダム映画祭ブライト・フューチャー部門でワールドプレミア上映され、秋には東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でも上映されました。
この他にも日本の三宅響子(NMT2010)の『波のむこう—浪江町の邦子おばさん—』がNHK国際共同制作としてNHK-BSにて放映される等、修了生の目覚ましい活躍が見られた1年でした。

 65名の修了生のうち、長編作品に限定した2013年のわずかな事例を挙げるに留めますが、この他にも多くの修了生が飛躍を遂げています。

 2014年もカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門に平柳敦子(TCT2011)監督、曽我満寿美(TCT2011)プロデュースの『OH LUCY!』が選出されています。

■東京フィルメックス

 アジア及びおよび世界各国からの秀作を紹介することを目的に、2000年から始められた国際映画祭です。日本を含むアジアの新進作家によるコンペティション部門、世界の最先端を切り拓く映画作家たちによる特別招待作品部門、映画史に輝く珠玉の旧作を再検証する特集上映部門などがあります。
 新作、旧作を問わず、初めて日本の観客に紹介された多くの海外の映画作家や、東京フィルメックスをきっかけに世界へ発信された多数のアジア・日本映画などの実績により、プロフェッショナルや映画ファンからの高い評価を集めています。

・第15回東京フィルメックス 11月22日(土)〜11月30日(日) 
* Talent Campus Tokyo(およびNext Masters)の模様はこちらのサイトで御ご覧ください。
< http://talentcampustokyo.com/ >

執筆者

Yasuhiro Togawa