本作は2012年にインドで公開され、その年の映画賞を総なめにし、アカデミー賞外国語部門インド代表にも選ばれた傑作です。愛情のない結婚生活に不満を抱えていた女性と、家族の愛情を受けずに育った、全く立場の違う二人の女性が、耳が聞こえず、話すことができないながらも身振り手振りの豊かな感情表現で人を幸せにすることができるバルフィと出会ったことによって、人生が大きく開けていく物語。『チョコレートドーナツ』に続き、ハンデを抱えながらも、愛に満ち溢れ、周りの人々を幸せにしていく主人公の姿に胸を打たれる感動作です。

  『雨に唄えば』、『きみに読む物語』、『アメリ』、『Mrビーン』、『黒猫白猫』、『プロジェクトA』、『菊次郎の夏』などの名作映画へのオマージュに溢れ、映画愛に満ちた作品。さらに、主人公のバルフィは、チャールズ・チャップリンやバスター・キートンのキャラクターを受け継ぎ、人生のおかしみ・かなしみを見事に表現。さらに、登場人物の感情を繊細に歌い上げた楽曲が映画に彩りを添え、切なくも、さわやかな涙を誘う感動作が完成した。

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執筆者

Yasuhiro Togawa