この場所で生きることは、罪なのでしょうか———。

本作『あいときぼうのまち』は、福島に生きる東電に翻弄された四世代一家族を通して、1945 年から 2012 年の約 70 年にわたる日本の歩みを描いた壮大な愛と希望の物語です。

監督は福島県出身で、脚本家の菅乃廣。本作が監督デビュー作です。20数年前、死が迫っていた父親が呟いたひと言「この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれない」をきっかけにこの企画を立ち上げました。脚本は、昨年『戦争と一人の女』で監督デビューも果たした井上淳一。ノンフィクションや報道では東電と名指しできるのに、フィクションでは何故できないのかと疑問を感じこのシナリオを書いたという。この壮大なドラマの奥には、震災からたった三年で全て忘れ去り、また新たに始めようとしているこの国への怒りが静かにたぎっている。まさにスポンサーに頼らない独立プロでしか成し得ない、今年度もっとも物議を呼ぶであろう快挙ともいえる作品が製作されました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa