ブライアン・シンガーが放つ、心理サスペンス　イギリス法史に残る“インターネット犯罪”の実話を映画化『U Want Me 2 Kill Him ユー・ウォント・ミー・トゥ・キル・ヒム』

ブライアン・シンガー（『ユージュアル・サスペクツ』『X-MEN』シリーズ）が製作総指揮を務め、2003 年にイギリスで実際に起こったセンセーショナルな事件を映画化した、英国発の戦慄のスリラー『U Want Me 2 Kill Him』が遂に日本上陸する。インターネット上のチャットで知り合った女子高生との関係にのめりこみ、予想だにしない驚愕の事件に巻き込まれていく 16 歳の少年の波乱万丈でアンリアルな日々をサスペンスフルに綴った衝撃作だ。二転三転する、先の読めない知的でトリッキーな構造を持つ本作だが、高校が舞台の一見のどかな青春映画に、恋人虐待やテロの脅威、スパイ活動といったダークな要素もフレイバーし、クライムドラマからサイコサスペンスまで幅広い飛躍を見せる革新的スリラーに昇華されている。今では当たり前となった「チャット」に潜む、底なしのような恐ろしい罠と功罪を提起しながら、イギリスの法律が抱える矛盾と重大な問題点にも切り込んだ野心的で重層的な作品といえよう。