13回目となる、2年に一度の山形国際ドキュメンタリー映画祭が、いよいよ10月10日より始まります。山形市の市政100周年を記念し始まった映画祭は、日本全国や世界各地の方々を山形にお招きし、映画という文化を通じて交流を続けてきています。本日は、コンペティションだけではなく魅力満載なプログラムの見どころをご案内いたします。

≪見どころその①≫ともにある Cinema with Us 2013
東日本大震災後の日常 / 非日常を生きる私たちを、ドキュメンタリーという小さく深い窓でつなぐ
あれから2年半、仙台で被災し、終わるこのとない震災後の生活をおくるコーディネーターが向き合った企画。その日常/非日常に肉薄しながらつくられた映画たちは、さまざまな位相に放り出された「震災後を生きる私たち」をつないでくれる窓になってくれるだろう。この特集では、それら震災をめぐる15作品あまりの上映、および、震災後の映画と東北の結節点を考えるふたつのシンポジウムを予定している。

≪見どころその②≫アルルカン・ヴォイス・シアター ライヴ
フォト・スラム「ブカレスト〜プノンペン〜チェルノブイリ〜フクシマ」
東欧革命、カンボジア停戦、チェルノブイリ、そしてフクシマ。 20 余年にわたり、むきだしの人間の営みとその歴史的瞬間を追い続けてきた詩人ドリアン助川とイタリア人写真家ピエルパオロ・ミッティカ。 100 点以上にのぼる 2 人の写真をスクリーンに投影し、語りと音楽を交えながら、今この星で起きていることをお届けします。
日時:10 月 13 日(日)21 時開場 21 時 30 分開演 / 会場:フォーラム 4

≪見どころその③≫日本映画監督協会・スカパー!共同企画
特別対談『ドキュメンタリー映画の地平線』in 山形国際ドキュメンタリー映画祭 2013
「ドキュメンタリー映画」は世界に対して何が出来るのか、をテーマに、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2013 の会場にて、各賞の審査員である映画監督同士が熱き激論を繰り広げる!!
【登壇者】原一男監督、崔洋一監督、ヤン・ヨンヒ監督、入江悠監督
日時:10 月 14 日(月)20:00〜22:00 / 会場:山形グランドホテル2F(サンリヴァ)

≪見どころその④≫昭和40年の鉄道を映した貴重なフィルムを上映!
山形と映画のかかわりを多角的に検証する「やまがたと映画」、「フィルムの中のやまがた」で上映される「清瀧章作品集」はアマチュアの 8mm カメラマンであり、今はなき山形三山線で働いていた清瀧氏が撮影した、在りし日の鉄道の姿を後世に伝える貴重なフィルム。昭和40年代に撮影された映像には、一両編成の車両が山形ののどかな田園地帯を駆け抜けていく姿、吹きつける雪と闘う様子など、山形の1つの時代を描き出す貴重な映像を上映。
「フィルムのなかのやまがた 清瀧章作品集」
日時:10 月 11 日[金]18:30〜 / 会場:山形美術館展示室 2 (入場無料)

◆昨年、世界中に惜しまれながら他界した“クリス・マルケルの特集”、まさに今、日々のニュースである地域を映画でとらえた“アラブの春”の特集も追ってお知らせします。

執筆者

Yasuhiro Togawa