7月20日(土)に全国343館454スクリーンで公開以降、現在、動員580万人突破と爆発的ヒットを飛ばしている宮崎駿監督最新作『風立ちぬ』。今回、ヴェネチア国際映画祭(8月28日〜9月7日)に続き、
第38回トロント国際映画祭(9月5日〜9月15日)にも出品されることが決定しました。
  
 トロント国際映画祭は、ベルリン、カンヌに次ぐ北米最大規模の来場者数を誇る映画祭で、ハリウッドでは“オスカーレースの前哨戦”として国際的な注目も集めています。1976年に創設されて以来ノン・コンペティションであることが特徴で、最高賞である観客賞(ピープルズ・チョイス・アウォード)は観客投票によって決められるため、商業目的ではない映画を愛する観客のための映画祭としても広く知られています。2003年には北野武監督の『座頭市』が観客賞を、昨年は園子温監督の『希望の国』がNETPAC審査委員賞を受賞するなど、日本映画は常に高い評価を受けています。
 今回『風立ちぬ』が選出されたスペシャル・プレゼンテーション部門は、世界を代表する映画作家の作品を集めた部門です。日本のスタジオジブリ試写室で本作を鑑賞し感動の涙を流したというトロント国際映画祭関係者による熱烈なオファーを受けて、急遽出品が決定。是枝裕和監督作『そして父になる』や松本人志監督作『R100』などすでに上映作品が公表されているなかで急遽追加発表されることになり、宮崎駿監督最新作の世界的な注目度を証明する結果ともなりました。
 これまでトロント国際映画祭には、スタジオジブリが本格的に北米配給の展開をはじめた『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』が出品されました。最近では、2011年『コクリコ坂から』出品に伴い、宮崎吾朗監督も参加しています。

 アカデミー賞前哨戦といわれる本映画祭にて最高賞である“観客賞”の受賞はなるか、注目が集まります。

以下、トロント国際映画祭 アーティスティック・ディレクターからのコメントです。

『風立ちぬ』は一人のアーティストが全力をかけて作り出した、美しくも力強い映画です。
トロント国際映画祭で宮崎駿監督の最新作を北米でいち早く上映出来ることを大変誇りに思います。
トロントにはいままでの宮崎作品を知るファンが本当にたくさんいます。
私は『風立ちぬ』が上映されることを楽しみにしています。そして本作が私同様、観客のみなさんを魅了してくれることでしょう。

トロント国際映画祭 アーティスティック・ディレクターCameron BAILEY(キャメロン・ベイリー)

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執筆者

Yasuhiro Togawa