全米公開時に3日間で興収約10億円を稼ぎ出し、初登場1位を獲得したポリス・アクション『エンド・オブ・ウォッチ』は、パトカー内に搭載されたビデオカメラによって、これまで映像化されることのなかったL.A.で最も危険な地区サウス・セントラルの犯罪現場が、すさまじいリアリティで迫ってくる。そのゼロ距離の迫力に誰もが驚愕する作品だ。

熱い友情と固い絆で結ばれたテイラーとザヴァラの警察官コンビを演じたジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャは、実際にロス市警に同行して訓練を受け、警察官のハードな日常を体験した。初日にはジェイク・ギレンホールが、偶然殺人現場に出くわすなどガチンコな役作りが映画に臨場感を加えているが、サウス・セントラル出身のデヴィッド・エアー監督が徹底的にリアリティを追及した本作には、何と! 本物のギャングも登場する。ヒスパニックと勢力争いを繰り広げている黒人ギャングチームの一人で、序盤でマイケル・ペーニャと格闘するのが、ギャング俳優クレ・スローンだ。がっちりしたマッチョな体は見るからに強そうな風貌で、現在もブラッズというギャングのメンバーでありながら、ギャング間の
抗争を抑制する活動家でもあるという。服役していた刑務所から出所後、知り合
いのアメフト選手に紹介され映画の仕事に就いたという異例の経歴をもつスロ
ーンは、『トレーニング デイ』、『クロッシング』などのアントワン・フークア監督、
デヴィッド・エアー監督作品に多数出演しながら自らのギャングの経験を生かし、
ギャング関連のドキュメンタリー映画の監督および制作もこなすという多才ぶり
を発揮。ジェイク・ギレンホールとマイケル・ペーニャのコンビもマジでビビるギャングとのやりとりシーンは、このリアリズムから生まれていたのだ!

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執筆者

Yasuhiro Togawa